DUO3.0例文解説メモ #455
DUO3.0例文の455本目です。
disputeとargueの違いについても説明しています。
argue that…
「…と主張する」「…と論じる」等の意味を持つ表現。動詞argueは「口論する」「議論する」「主張する」等の意味を持っており、語源は、語根arg(輝く、白い)を持っており、「白く輝く」→「潔白であることを示す」「全てを明らかにする」ということ。ここから、①(明確な理由をもって)何かが正しいと示す→「主張する」、②議論の状況に注目→「口論する」「議論する」といった具合に前述した意味につながっている(①は他動詞で、②は自動詞の意味となる)。
そのため、argue that…という形で「…が正しいと示す(=主張する)」ということ。少し脱線してしまうが、語源arg(輝く、白い)を持つ身近な単語としては、元素記号のAG(銀を意味するラテン語argentumの略)やアルゼンチン(銀の山脈があると信じられたことから、銀を意味するargentumに小さいことを表す接尾辞-tinaを付加した単語)等がある。詳細が気になる人はWikiで調べてみると良いと思う。
disputeとargueの違い
argueと同じような意味を持つ単語に前の例文で説明したdispute(例文内では名詞として出てきているが)があるので、これらのニュアンスの違いについてここでまとめておく。
ネイティブ感覚での使い分けはこのサイトにまとめられているので参考にして欲しいが、同サイトで最初に説明されている雰囲気の差について語源的な背景をまとめると下記のような感じとなる。
argue:上述したように「潔白であることを示す」「全てを明らかにする」というのが語源としての意味になる。ここから、議論で白熱してといった感覚が何となく伝わってくると思う。
dispute:ここで説明したように「感情的に言い争っているのではなく、理性的に自分の意見を出し合っている」というようなニュアンスとなる。
administration
「管理」「運営」「経営」「政権」「政府」「執行」等の意味を持つ名詞。便宜上、動詞形であるadministerの説明から始める。
administerは「管理する」「(行政的、法的に)実施する」「(薬を)投与する」等の意味を持つ動詞で、語源は、ad(~の方へ)+minister(仕える*)→「仕えて助ける方向へ」ということ。ここから、集団を管理したり国を治めることで人々を助けるというような意味合いに派生して前述した「管理する」「(行政的に)実施する」といった意味につながっている。なお、「(薬を)投与する」という意味については、administerが治療的に人を助けるといった意味に派生したことに由来しているらしい。
本題に戻ってadministrationは、動詞administerが名詞化された単語となり、①会社や組織等の集団の管理→「管理」「運営」「経営」、②(ある期間における)国の統治→「政権」「政府」、③行政的、法的に何かを実施すること→「執行」といった具合に冒頭の意味につながっている。
administrationに関連する比較的よく目にする使用例としては、Windowsやネットワーク関係のadministrator(管理者)権限、企業の組織図でadministration department(admin.やadm.といった形で略されることが多い)がある。後者は海外の組織図でよく見かける表現で、人事・購買・経理等を含む部門といった印象がある(何を含むかは会社によってまちまちだと思う)。どちらの使用例も、そこに属する集団に仕えて人や仕事を助ける(=管理する)といった語源イメージ感じられると思う。
*)前の例文では名詞ministerの意味を説明したが、動詞として「助ける(仕えるということから)」という意味も持っている。
look for…
「…を探す」という意味の句動詞。分解して考えれば、look(目を向ける)+for(目的、目標)→「目的や目標に対して目を向ける」ということ。ここから、無くしたものや欲しいものを求めて目を向けるといったニュアンスとなり冒頭の意味につながっている。中学校でも必ず教わる表現の一つだと思うので、敢えて分解して考える必要もないかもしれない。
alternative
「代わりの」「(従来とは異なる)代替の」等の意味を持つ形容詞(名詞の意味もある)。語源は、alter(変える)+ative(形容詞語尾:性質)→「変える性質のある」ということ。
もう少し明確なイメージを持つためには動詞alter(変える)を深堀する必要があるが、これは既に説明したように「二つの間で一方を越えて他方になる」というイメージ。ここから、①一方を越えて他方になる(必ずしも二つの間とは限らない)→「代わりの」、②従来のやり方を越えて→「(従来とは異なる)代わりの」といった具合に冒頭の意味につながっている。
なお、DUOの例文には出てこないが、同じような語源を持つ単語にalternate(alter+ate(ラテン語過去分詞末尾))があり、「交互に起きる」「一つおきの」「代わりの」といった形容詞の意味を持っている(alterのところでも少し説明をしているので読み返してもらいたい)。
文章だと長くて分かりにくい表現になってしまうので、それぞれの意味のイメージを図にしたものを下に掲載しておく。この例文では、単純に他の歳入源を探さないといけないという意味で使われているのだと思う。
revenue
「収入」「歳入」等の意味を持つ名詞。語源は、re(後ろ)+venue(来る)→「戻ってくる」ということ。モノやサービスを販売して戻ってくるお金というニュアンスから冒頭の意味につながっている。なお、例文#260でincome(収入)という単語が出てきたが、revenueは企業や国家といった比較的大きな組織に適用される単語となる。この辺りの背景は明確には分からないが、個人的にはPL(Profit and Loss:損益計算書)の影響が絡んでいるのではないかと思っている。
自分も海外赴任時にかじった程度の知識しかないが、会社というものは利益を出さないと潰れてしまうので、きちんと利益を出していることを確認するため(税金支払いのためでもあるが)、経営指標としてPLという書類を作成している(株式会社の場合は決算公告の義務がある)。そして、このPLの中では、総売上、営業利益、税前利益、税後利益。。。といった色んな利益や収入が出てくる(総売上から様々な支出を引いて、細かく収入を分類するため)。
そして、一番上に来るもの(素人表現で何も引かれてない売上)のことを、revenue, turnover, sales等と呼び(会社によって呼び方は様々)、そこから様々な支出を引いていった○○収入、○○利益という表現に該当するのが、xxx profit, xxx earnings, xxx incomeと呼ばれるものになる。こういった背景もあり、会社や組織等では、revenueとincomeを区別して使う人が多いのではないかと思う(経営に縁遠い人にとってはどちらも同じ意味と捉えるかもしれないが)。
ちょっと脱線してしまったが、この単語で使われている語根venue(来る)を持つ比較的メジャーな単語としては、avenue(ad+venue:来る方向に→大通り)や少し綴りが異なるがprevent(妨げる)といった単語がある。リンクが張ってあるものはDUOの例文内で使われており説明している単語となるため、読み返してもらえると語源のイメージが強化されると思う。
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