DUO3.0例文解説メモ #098
DUO3.0例文の98本目です。
この例文で使われているstaffは集合名詞となるためstaffsのような複数形には通常なりません。
on behalf of…
「…を代表して」「…のために」等の意味を持つ表現。この表現で使われているbehalfは、語源的にはby(近く)+ half(側)→「何かの近い側にいる」ということ。基本的には単独で用いられることはなく、この例文のように<on behalf of…>という形で使われる。その場合、「…に近い側に立って」→「…を代表して」ということになる。
また、昔は<in behalf of…>という形で「…利益のために」という意味があったようだが、アメリカでは<on behalf of…>という表現に統一されている模様。longmanにも<in/on behalf of…>使い分けについては特に触れられていない。
なお、この表現は主にビジネスで使われることが多く、身近な例としては国際線の機内アナウンスがある。航空会社にもよると思うが、On behalf of the entire crew,I would like to thank you for joining us on this…のようなアナウンスがあるので、注意して聞いてみると面白いかもしれない。
staff
「従業員」「社員」等の意味を持つ名詞(動詞の意味もある)。日本語でも普通にスタッフというカタカナを使うので問題なく理解できる単語だと思う。文法的な注意点としては、staffは集合名詞となるためstaffsのような複数形には通常ならないという点。そのため、この例文もall the staffsではなく、all the staffとなっている。
また、アメリカでは集合名詞のstaffを三人称単数で受けるが(be動詞の場合は、staff is…というような活用)、イギリスでは三人称複数で受けるのが一般的(be動詞の場合は、staff are…)となる。なお、異なる会社の従業員が集まる場合は、それぞれのGroupであるStaffが集まるためstaffsとなる。
また、longmanによると、a staffのように一人の人を従業員という形で指すことはないとのこと。a staff member, a member of staff(イギリス), an employeeといった表現をするとのこと。
express
「述べる」「表現する」「外に出す」等の意味を持つ動詞(他品詞の意味もある)。語源は、ex(外に)+press(押す)→「外に押し出す」ということ。ここから、自分の内にある感情・考えを外に出すといったニュアンスとなり、冒頭の意味につながっている。
雑学になってしまうかもしれないが、expressと言えば、limited express(特急電車)、express便(即時配達便)、American Express(クレジットカードブランド)で馴染みのある単語だと思う。これらの例で使われているexpressは動詞とは別語源となり、コーヒーのespresso(一杯ずつ短い時間で一気に抽出したコーヒー)に由来している。
この短い時間というのが「特急」「急行」という意味を持つようになり前述の意味につながっている。なお、American Expressはもともと運送業をやっていたため、Expressという単語を使っているという歴史が関係している。
sympathy
「同情」「共感」等の意味を持つ名詞。語源は、sym(一緒に)+pathy(感情)→「一緒の感情を持つ」ということ。ここから、同情、共感、同意といったニュアンスとなり、冒頭の意味につながっている。日本語でもシンパシーを感じるといった表現をするので、語源から考えなくてもそのまま理解できると思う。
victim
「被害者」「犠牲者」「患者」等の意味を持つ名詞。語源は、生贄にされた人間や動物に由来しており、そこから「被害を受けた人」「苦しんでいる人」といったニュアンスとなり、冒頭の意味につながっている。
語根vict(征服する)と言えば、victory(勝利)、victor(勝利者)等のように「打ち負かす」といったイメージが先行してしまうが、victimは語源的には同語根とは無関係なので要注意。
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