DUO3.0例文解説メモ #349
DUO3.0例文の349本目です。
accomplish(成し遂げる)の類似単語にcomplete, achieveがあります。これらのニュアンスの差異も把握しておきたいところです。
in the face of…
「…(困難・危険等に)に直面して」「…(困難・危険等に)に関わらず」等の意味を持つ表現。前の例文でbe faced with…(…に直面する)という表現が出てきているのでそちらの内容を読み返してみると理解が深まると思う。
冒頭の二つの訳は一見意味合いが全く異なるが、これは同表現に続く文章によって意味合いが変わるということ。例えば、直面してるのにやり遂げたという意味合いであれば「関わらず」という訳になる。なお、同表現はSteve Jobsが行ったスタンフォード大学のスピーチでin the face of death(死を前にしては)という形で使われていたのが個人的には印象に残っている。
adversity
「逆境」「不運」等の意味を持つ名詞。語源は、ad(~の方へ)+vers(向きを変える)+ity(抽象名詞語尾)→「向きを変える」ということ。ここから「逆を向く」といったニュアンスとなり冒頭の意味につながっている。
accomplish
「成し遂げる」「完遂する」等の意味を持つ動詞。語源は、ac(~の方へ)+com(完全に)+ple(満たす)+ish(動詞語尾)→「完全に満たす方向に進んで到達する」ということ。ただ完了するのではなく、そういう方向に進んで到達というフレーバーが付くので「努力して」「成功する」といったニュアンスを伴うことが多い。
この例文では、extraordinary feat(素晴らしい偉業)をただcomplete(完了)したのではなく、accomplish(努力して完了)したということになると思う。
complete、accomplish、achieveの違い
どの単語も完了するというような意味を持っているが、それぞれのニュアンスの差について語源という切り口で見ていく。
まずcompleteだが、これはcomplimentのところでも少し触れたように、com(完全に)+ple(満たす)→「完全に満たす」ということ。longmanの例文を引用して説明すると下記となる。
- The students have just completed their program(生徒たちはちょうどカリキュラムを終えたところだ)→カリキュラムを完全に満たしたということ
- Complete the following sentences.(以下の文を完成させなさい)→何かが不足している文章を完全に満たすということ
次にaccomplishだが上で説明したように、ac(~の方へ)+com(完全に)+ple(満たす)→「完全に満たす方向に進んで到達する」ということ。満たす方向に進むという感覚が「努力して」「成功する」といったニュアンスにつながっている。longmanの例文を引用して説明すると下記となる。
- Amy’s very proud of what she’s accomplished.(エイミーは自分が成し遂げたことをとても誇りに思っている)→努力して満たすことに成功したということ
最後にachieveだが、語源はa(~の方へ)+chi(頭)→「頭に向かっていき到達する」ということ。目標に向かうという感覚が「努力して」「長いスパンで」「成功する」といったニュアンスにつながっている。longmanの例文を引用して説明すると下記となる。なお、achieveは後の例文でも出てくるので、そちらの文章を読む際にこの内容を再読すると参考になると思う。
- He achieved a “B” in his test.(彼は試験でBを取った)→努力してBに到達(獲得)したということ。
extraordinary
「異常な」「驚くべき」等の意味を持つ形容詞。語源は、extra(外側に越える)+ordinary(普通の)→「普通の枠を外に越えた」となり冒頭の意味につながっている。なお、ordinary(普通の)は前の例文で説明しているので忘れてしまった方はリンク先の説明を読み返して頂ければと思う。
feat
「偉業」「功績」等の意味を持つ名詞。語源は、語根fac(作る)を持っており「(人によって)為されたこと」というニュアンスから冒頭の意味につながっている。
deserve
「~に値する」「~にふさわしい」等の意味を持つ動詞。語源は、de(完全に)+serve(仕える)→「よく仕える」ということ。ここから「褒美に値する」といったニュアンスとなり冒頭の意味につながっている。
何かの行為に対してそれ受けるのがふさわしいというようなニュアンスで使われることが多く、この例文の場合は、彼が成し遂げたことに対して、He deserves praise(称賛に値する)ということ。deserveという単語は日常会話でもよく出てきて、You deserved it.(お前には当然の報いだ。自業自得だよ。)というように悪い意味で使われることもある。
praise
「称賛」「褒めること」等の意味を持つ名詞(動詞としての意味もある)。人や物について褒める行為を表す名詞となる。なお、似たようなスペルを持つ単語に、price(価格)、prize(賞品)があるのでこれら差異を下にまとめておく。
praise, price, prizeの違い
これらの3つの単語はどれもラテン語のpretium(価値、褒美)という単語から派生している。
priceは商品の売買で使われるようになり「値段」「価値」という意味で使われていた単語。その後、prise(priceと共通語源の単語)の綴りcがzとなり誕生したのがprizeとなる(houseの複数形housesがハウシスではなくハウジズとzで発音するようになったのと関係があるらしい)。
ただし、同スペルの単語として既にprize(戦利品)というのがあったので、この影響を受けてprizeは「(勝ち取った)賞品」という意味を持つようになる。元々のprizeはpri(捕まえる)というところから来ているので、捕まえて戦利品を奪うというような感覚だと思う。
最後にpraiseだが、語源はpretiumから来ているもののpriceとは別単語として最終的にpraiseという形になったらしい。詳細までは調べてないが、priceと同じく何かを評価するという感覚は一緒になる。そのため、priceは物の価値を評価したもの、praiseは人や物について高く評価することといった感覚になると思う。
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