DUO3.0例文解説メモ #474

2024年1月11日DUO

管理人
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DUO3.0例文の474本目です。

両コンマで挿入されているbound for Athensは、a cargo vesselを修飾する形容詞句ですね。

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全体

両コンマで挿入されているbound for Athens(アテネ行きの)は、a cargo vesselを修飾する形容詞句となる。そのため、便宜的に形容詞句を省略して、A cargo vessel sank in the Mediterranean without a trace.(一隻の貨物船が何の痕跡もなく地中海で沈んだ)と考えると文章構造が捉えやすい。

ただ、個人的には、リスニングやスピーキングでもしっかり運用できる力を養うべきだと思うので、A cargo vesselまでで一隻の船というのが分かり、後続する bound for…というのは「…行きの」という意味でよく知られた表現であることを知っていれば、A cargo vessel, bound for Athensまでが文章の主語になると容易に推測ができる。

そして、その後に動詞sank(sinkの過去形)が続くので、予想通り前半部分が主語であることが確認できるといったアプローチで例文暗唱するのがよいと思う。

cargo

「貨物」「積荷」等の意味を持つ名詞。語源は、car(車)やcurrent(流れ)と同じく語根cur(走る)を持つ単語で、ラテン語で二輪ワゴン(車の後ろに接続するリアカーのようなもの)を意味していた。ワゴンは車から見たら「負荷」「積荷」に他ならないのでそのような意味合いに派生して冒頭の意味につながっている。

身近な使用例だと、カーゴパンツ(荷積みをする人が穿く作業用パンツが由来)やcargoという文字が入った機体(貨物運搬用の機体)等があるので、これらの使用例からイメージを紐付けてもよいと思う。

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vessel

「(大型の)船」「(専門用語)血管」等の意味を持つ名詞。語源は、ラテン語のvas(器)を意味する単語に指小辞-leが付加された単語で「小さな器」ということ。ここから、荷物を運ぶ器というようなニュアンスが生まれて、冒頭の「(大型の)船」という意味につながっている。

さらに、そこから血液を運ぶための器というようなニュアンスにも派生し(おそらく)、「血管」という意味にもつながっている。なお、longmanには「(大型の)船」という意味ではフォーマルな表現と説明されている。余談となってしまうが、自分が初めてこの単語に触れたのは他国への貨物発送時となる。そのため、貿易関係の仕事に携わっている方は比較的使用頻度の高い単語になると思う。

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bound for…

「…行きの」という表現。この表現で使われている形容詞boundは、前の例文で出てきたbe bound to do…(きっと…するはずだ)のところで説明したboundと全く同じものとなる。主要な説明を再掲すれば、もともとは、動詞bindの過去分詞boundが形容詞化されたものとなる。

bindは語根bi(縛る)を持っている単語となるため「縛る」「結びつける」というのが語源としての意味。そのため、bound for…という形で「…という方向に結び付けられている」となり意訳すれば冒頭の意味につながる。

flight to…(…行きのフライト)でも少し触れたように、新幹線や電車で良く見聞きする表現となるため、特に意識しなくても自然と覚えられる表現になると思う。また、前述したbe bound to do…(きっと…するはずだ)という表現との関係も意識しながら例文暗唱するとよいと思う。

sink

「沈む」「悪化する」「低下する」等の意味を持つ動詞。不規則動詞で、sink – sank – sunkと活用し、ここでは過去形として使われている。日本語でも台所の流しのことをシンクと普通に呼ぶので、そこから「沈む」というニュアンスは感じられると思う。

また、もともとは水の中に沈むという意味だったが、冒頭で述べた「悪化する」「低下する」のように比喩的に沈むという意味も持つ動詞となっている。

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the Mediterranean

「地中海」という意味の固有名詞(一つに決まるため、theを付けている)。the Mediterranean Seaが省略された表現となっており、mediterrranceanの語源は、middle(中間)+terra(大地)+ean(~に属する)→「大地の中間に属する」ということ。世界地図を見れば一目瞭然だと思うが、地中海は大地に囲まれた海となることから同表現となっている。

地中海

なお、terra(大地)という意味に関しては、ポルトガル語となるが、terra(大地)、Ingraterra(イギリス)、terremoto(地震:大地を動かすということ)といった単語があるのでヨーロッパ圏の言語知識がある人にとっては馴染みのある単語になると思う。個人的には、固有名詞なのであれこれ考えずに例文暗唱を通じて発音と一緒にそのまま暗記してしまうのがよいと思う。

without a trace

「跡形もなく」「全く形跡を残さず」等の意味を持つ表現。traceの詳細は下で説明しているのでそちらを参照して頂ければと思う。また、withoutという前置詞は、with(向かって)out(外に)→「外に向かって」ということ。ここから、範囲や境界を意識した前置詞となり「~以外は」という意味につながっている。この辺りはリンク先の内容を見て頂けると直感的に理解しやすいと思う。

trace

「跡」「形跡」「証拠」「(馬具の)引き革」等の意味を持つ名詞(動詞の意味もある)。語源は、abstract(抽象的な)やtreaty(条約)と同じく、語根trac(引っ張る)を持ち「引っ張ること・もの」をコアに持つ単語となる。

ここから、①動物を引っ張るもの→「引き革」、②何かを引っ張っていく→跡ができる→「跡」「形跡」「証拠」といった具合に冒頭の意味につながっている。なお、この例文では、without a trace(形跡もなく)という形で使われている。longmanにもこの形で使われているので、個人的にはフレーズ的に覚えてしまってもよいと思う。

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少し脱線してしまうが、品質管理に携わっている方であれば、トレーサビリティ(生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態)という単語を聞いたことがあると思う。例えば、何らかの理由で製品不具合を出してしまった場合、最悪製品を改修する必要が生じる。その際に、ロットや製品シリアル番号等で対象製品を明確化でき、さらにその商流や納入顧客が分かるような管理ができていれば迅速かつ最小限のコストで製品改修ができるということ。このような管理をtraceability(trace(跡)+ability(~できる)→跡が追えること)という。


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Posted by EngxEng