DUO3.0例文解説メモ #451
DUO3.0例文の451本目です。
sanctionは「制裁」と「許可」という真逆の意味を持ちますが、語源から考えるとしっくりきますね。
unless…
「もし…でなければ」「…でない限り」等の意味を持つ接続詞。語源的には、on lesse than(on a lower condition than…)といった表現に由来しているらしく直訳すれば「…より低い条件で」となり、意訳すれば冒頭の意味となる(何かをするよりも低い条件→しないという流れ)。加えて、unlessはその節内の内容を強調した表現でもある。
なお、スペルについては上述したように、もともとはon lesse thanだったが、①節の内容が「…でなければ」と常に否定的になることからon(接触)が接頭辞un(否定)に変化し、②thanが省略されて最終的にunlessという一つの単語に落ち着いているらしい。
unlessの詳細な使い分けやルールは文法書を見て欲しいが(表現のためのロイヤル英文法には載っている)、個人的に重要だと思う点を列挙すると下記のようになる。
- ①unlessはif…not(…しなければ)、もしくはexcept if…(…を除いて)の意味を持っている。どちらも「…でなければ」という意味ではあるので本質的には同じことなのかもしれないが、except if…(…を除いて)で覚えておいた方がしっくりくるケースがある。
- ②unlessを使った場合は、前述したようにunless節の内容を強調した表現となる。
- ③if…notの意味の場合、unlessとの書き換えは必ずしも成立するわけではない。(*)。
- ④except if…の意味の場合は主節が省略されるケースが多い。他にも細かいルールはあるが、unlessの使い方については色々な例文に触れ合いながら感覚を磨いていくしかないと思う。
(*)"I’ll be annoyed if you don’t arrive at 3pm." (あなたが3時に到着しなければ、私はイライラするだろう)という文章をunlessで置き換えれば、"I’ll be annoyed unless you arrive at 3pm."となる。そして、上記②で説明したようにunlessは節内(この場合は「3時に到着しなければ」)を強調した表現となるため、これが唯一の理由というようなニュアンスとなり、「私がイライラする唯一の理由はあなたが3時に来ないこと」といった解釈となる。現実問題として、イライラする理由はその他にも多々考えられるので、この場合はunlessを使って書き換えてしまうと変な文章となってしまうということ。
eliminate
「取り除く」「敗退させる」等の意味を持つ動詞。語源は、e(外に)+limit(境界)+ate(動詞末尾)→「境界の外に出す」ということ。ここから、①不要なものを境界の外に出す→「取り除く」、②スポーツで相手を境界(競争の中)から外に出す→「敗退させる」といった具合に冒頭の意味につながっている。
なお、longmanには、「取り除く」という意味においては前の例文で出てきた句動詞get rid of…(…を取り除く)の方が日常でよく用いられるとの説明がされている。
tariff
「関税」「関税法」「関税表」等の意味を持つ名詞。語源は、アラビア語の通知(知ること)に由来しており、そこから物の売買に使われる価格表という意味を経て、輸出入時の関税表といった冒頭の意味につながっている。
前の例文で説明したduty(義務)にも「関税」という意味があるが、tariffの方は前述したように関税率表や関税体系という意味でも使われる単語となる。個人的には、輸出入を専門に扱う人以外はこれらの用語の使い分けはあまり気にする必要はないと思うが、空港にDuty Free Shop(免税店)があることもあり日常的にはdutyを使うことが多い印象がある。
これらの単語の使い分けに興味がある人は「tariff duty 違い」といったワードでGoogle検索してみると色々なサイトが出てくるので調べてみるとよいと思う。なお、専門用語でTariff elimination(関税撤廃)というのがあるようなので、DUOの例文もeliminateとtariffを組み合わせた形になっているのだと思う。また、この例文で使われているits unfair tariffsは、Japan’s unfair tariffsということとなる(itsはJapan’sのこと)。
impose
「(税金などを)課す」「(罰則・制裁などを)加える」「強要する」等の意味を持つ動詞。語源は、im(中に)+pose(置く)→「何かを中に置く」ということ。ここから、無理強いして何かしらの負担をかけるといったニュアンスとなり冒頭の意味につながっている。
なお、この例文ではimpose sanctions(制裁を加える)という形で終わっているが、「誰に」という対象を明記したい場合は、impose sanctions on Iran(イランに制裁を加える)といった具合に前置詞on(圧力)を使って対象を導く形になる。
sanction
「(複数形で)制裁」「(公式の)許可」等の意味を持つ名詞(動詞の意味もある)。語源は、sanc(正当化する)+tion(名詞語尾)→「正当化する」ということ。
ここから「法律で規定する」というような使われ方をしていたが、法律には制裁と許可という二つの要素が共存することから、これらの意味がそれぞれ分離し、①法律による制裁、②法律による許可、となって冒頭の意味にそれぞれつながっている。ちなみに、「(公式の)許可」という意味では不可算名詞となるためsanctionとなる点に注意。なお、この例文では複数形で使われているので①の意味となることが分かる。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません