DUO3.0例文解説メモ #216
DUO3.0例文の216本目です。
文法的には大過去と呼ばれる表現が使われています。
全体
構文としては大過去と呼ばれる形となる。既に#070でも出てきており、文法的な説明はそちらにしているので忘れてしまった方は読み返して頂きたい。要点だけ書くと、recalled(回想した)の内容というのはそれ以前に発生してるため、過去完了形を使って「recallよりも前である」を明示しているということ。この例文の場合は、明示しなくても分かる内容だと思うのでカジュアルな文章(もしくは口頭)であれば、collision was avoidedとしてしまってもよい気がする。
recall
「思い出す」「回収する」「(議会を)解散する」等の意味を持つ動詞(名詞の意味もある)。語源は、re(再び)+call(呼ぶ)→「再び呼ぶ」→「呼び戻す」ということ。
ここから、①(過去のことを)呼び戻す→「思い出す」、②(不具合製品を買った人々を)呼び戻す→「回収する」、③(再選挙のために人々を)呼び戻す→「(議会を)解散する」といった具合に冒頭の意味につながっている。よくテレビで耳にするリコールは、②の不具合製品回収するという意味のリコール。なお、この例文では①の意味で使われている。
recall, remind, rememberの違い
これまでの例文の中で「思い出す」という訳が割り当てられる動詞にrecall、remind、rememberがあるので、そのニュアンスの差についてここで整理しておく。
何か経験したり学んだことは記憶に残るが、時間がたてばその記憶は薄れていくもの。rememberは記憶が薄れる前の状態から思い出すニュアンスで、一方のrecallは、薄れかけた状態のものをrecall(再び呼び戻す)ということ。この辺りのニュアンスはre(再び)+mem(記憶)とre(再び)+call(呼ぶ)というところからも読み取ることができると思う。
recallの方が努力を伴うニュアンスとなるため、rememberよりも丁寧な感覚にもつながるらしい。remindは、re(再び)+mind(心)→「再び心に戻す」ということ。ただし「何か外からのものによって」というところが大きなポイントとなる。
collision
「衝突」「不一致」「(ネットワーク上のデータ)衝突」等の意味を持つ名詞。語源は、strike together(一緒にぶつかる)に由来する。前の例文でcrash(衝突)という単語が出てきたが、crashはモノにぶつかるという意味に対して、collisionはそれぞれ動いているものが衝突するという意味。この辺りはlongmanにもwhile moving in different directionsという形ではっきり説明されている。
この異なる方向に動いているというニュアンスから、お互いに反対意見を言い合う→「不一致」という意味になり、データの衝突も動いているものが衝突するためにcollisionが割り当てられているのだと思う。この例文では、彼は車に乗っており、対向車との衝突が運よく避けられたというような回想をしているのだと思う。
sheer
「混じりけのない」「純粋な」「完全な」「透けるほど薄い」「~だけの」等の意味を持つ形容詞(他品詞の意味もある)。語源は、純粋・クリアといった内容に由来しているらしく、そこから冒頭の意味につながっている。
具体的には、①純粋→「混じりけのない」「純粋な」「完全な」「~だけの」、②クリア→「透けるほど薄い」といった感じとなる。なお、この例文ではsheer luckという形で使われており「純粋な運(=運だけ)」といった意味になる。
また、同単語を使った面白い表現にsheer cliff(断崖絶壁)がある。cliffは崖という意味なので「混じりっ気のない崖」「崖の一番の特徴以外何も混じってない」→断崖絶壁ということ。
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