DUO3.0例文解説メモ #070

2021年9月6日2024年1月6日DUO

この例文で使われているdepositという単語は日常会話や観光用語（ホテル宿泊時）でも使われます。根本の意味をしっかり把握しておき、表面上の訳に惑わされないようにしとくとよいと思います。ちなみに、ジョブスのスピーチでもコーラの瓶を返してデポジットを返してもらう内容が出てきます。

be short of…

「…が不足している」という意味の表現。shortといえば「短い」という和訳が最初に思いつくが「何かが十分ない」という意味もある。会社でお金のやりくりをしている人は「資金がショートしないように」といった表現を使うことがあるので耳にしたことがある人もいると思う。

withdraw

「支援を打ち切る」「撤回する」「（お金を）引き出す」等の意味を持つ動詞。語源は、with（離れる）＋draw（引く）→「引いて離す」「引いて離れる」ということ。ここから、①支援やサポートを引いて離す→「打ち切る」、②申し出や要求等を引いて離す→「撤回する」、③お金を口座から引いて離す→「引き出す」といった具合に冒頭の意味につながっている（他にも多々意味がある）。

withと言えば「一緒に」「共に」という意味で知られている前置詞だが、もともとはagainst（対する）と同じような意味で使われていた名残が残っているため「離れる」という意味も持っている。少し補足すれば、againstは反対、対立という意味なので、お互いに「離れる」というニュアンスも生じるということ。この例文の場合は、口座から$100を引いて離す→「＄100を引き出す」ということになる。

deposit

「堆積させる」「（お金を）預金する」「（貴重品を）預ける」等の意味を持つ動詞（名詞の意味もある）。語源は、de（離れて）＋posit（置く）→「離れたところに何かを置く」ということ。ここから、①下に離れて何かを置く→「堆積させる」、②自分から離して置く→「お金を預ける」「貴重品を預ける」といった具合に冒頭の意味につながっている。

また、名詞形のdepositはホテル宿泊や住居契約のときにもよく聞く単語となる。海外のホテルにチェックインするとクレジットカード提示を求められ、depositとして一定額を請求されることが多く、これはホテル内での飲食など部屋代以外の料金の保証のために取られるものとなる（未払いでチェックアウトされたときのホテル側としての対策）。この場合、depositとしてお金をホテルに預けることになり「保証金」といった意味となる。また、住居契約したことがある人は契約時に敷金を支払ったことがあると思う（最近は敷金・礼金0の物件もある）。敷金は、部屋を退去するときに現状回復（生活でできてしまった傷を直す）費用として事前請求されるものとなり、これもdepositとなる。

なお、この例文ではhad depositedと過去完了形になっているが、これは「withdrew（過去形）よりも前にdeposited（過去形）しましたよ」ということを明示するために、had depositedとしているということ。文法的には大過去（変なネーミングですが）と呼ばれるが、形としては過去完了形と全く同じとなる。

この例文の場合、単にdepositedとすると、withdrewと同じ過去形となるので、文法的には全く同じタイミングとなってしまう。でも過去完了を使うことでhad（持っていた）＋ deposited（預けた）→「預けたのを持っていた」となり、withdrewよりも前の話というのを明示することが出来る。ただ、同じ過去形でも文脈からdepositedしたのは、withdrewの前というのは分かるので、必ずしも大過去を使う必要はない（特に口頭であれば、had depositedではなく単にdepositedとすると思う）。説明が少し分かりにくいかもしれないが、大西先生の本に分かりやすく説明されているので気になる方は一読をお勧めする。

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