DUO3.0例文解説メモ #379
DUO3.0例文の379本目です。
may well+動詞の原形(~するのは当然)を使った例文です。
clerk
「店員」「販売員」「ホテルフロント係」「事務員」等の意味を持つ名詞(動詞の意味もある)。語源はもともと「聖職者」というところから来ており、当時「聖職者」は「学者」でもあったことから「学者」という意味も持つようになる。そして、時代が進むにつれ学者は読み書きできる能力があることから「書記」という意味でも使われ始め、書記は代表者の横で補佐をするというニュアンスから「助手」や「事務員」という意味にも派生した。
そしてこの「助手」という意味が日常業務にも使われるようになり、①買い物客を助ける人→「店員」「販売員」、②ホテルで客を助ける人(受け付ける人)→「ホテルフロント」といった具合に冒頭の意味につながっている。
なお、上で説明したようにclerkは「読み書きできる」ということと関連性があるため、「事務員」という意味では「収支等の記録をする人」というニュアンスが強い気がする。ざっくりとclerkの語源を意味のつながりを重視して書いてみたが(一部端折っていたりするが)、辞書でclerkという単語を引いてみると説明をした単語がずらっと並んでいるので、ちょっと感動するのではないかと思う(自分はちょっと驚きました)。
may well+動詞の原形
「~するのは当然だ」「~するのは当たり前だ」等の意味を持つ表現。ここでのwellは副詞の意味となるが、wellは「よく」「上手に」等と訳されることから分かるように「その度合が十分」というのが根本的な意味になると思う。
そのため、may(50%程度の確度)+well(発生度合が十分)→「全体で8割程度の発生確率」というようなニュアンスになる。
この例文に当てはめて考えてみると、wellを除いた文ではmay complain about their routinesで「日常業務に不満を言うかもしれない」となり、その発生度合をwellで強調して「日常業務に不満を言うことは十分あり得る」となり冒頭の意味につながる(若干、日本語のニュアンスと差があるような気もするが)。
mayの部分をmightやcouldで置き換えた表現もあるが、表現のためのロイヤル英文法によるとニュアンスの差はほぼないと説明されている(一般的には、Could you, Would youというように過去形にすることで控えめな表現になる)。また、後の例文で出てくるmight as well A as B(AするのもBするのも同じだ)という表現と混同しないように要注意。
routine
「日常業務」「日課」「ルーティーン」等の意味を持つ名詞(形容詞としての意味もある)。語源は、route(ルート)+ine(抽象名詞:~のような)→「ルートになっているような」ということ。
ここから日常業務といったニュアンスとなり冒頭の意味につながっている。日本語でも普通に使われる単語でもあり、コンピュータ用語でルーチン、サブルーチンという形でよく使われるので耳にしたことがある人も多いと思う。
非制限用法のwhich
この例文のようにコンマに続けて使う関係代名詞whichは非制限用法となる。関係代名詞の制限用法と非制限用法については学校で必ず教わる内容だが、制限用法というのは「対象を制限する」という意味なので「限定用法」、非制限用法は「対象を制限しない」という意味なので限定せずに「情報を付け足す用法」という説明の方が感覚的にはしっくりくると思う。詳細な説明はどの文法書にも載っているが、個人的には大西先生の本やマークピーターセンの英語塾の説明が分かりやすいと思うのでそちらを一読頂くことをお勧めする。
冒頭で述べたようにこの例文は非制限用法となり、文章としては「女性職員が自分たちの日常業務に不満を言うのももっともだ」というところで完結しており、追加情報としてtheir routines(日常業務)をwhichで受けて「それらは全くやりがいのない仕事だ」を追加しているということになる。ちなみに、この例文のコンマを無くせば制限用法となり「多々ある日常業務の内、全くやりがいのない仕事について不満を言うのはもっともだ」というようなニュアンスになると思う。
なお、口語の場合は、文脈もしくはwhichの前のポーズの有無にて制限用法と非制限用法を識別することになると思う。この例文の音声を聞いてみると分かると思うが、whichの前にポーズがあるのでその辺りにも注意して聞いてみるとよいと思う。なお、非制限用法については#011でも説明しているのでそちらの内容も読み返してもらえると理解が深まると思う。
challenging
「やりがいのある」「興味をそそる」等の意味を持つ形容詞。動詞challengeの現在分詞が形容詞化したもとなる。challengeという単語自体は日本語でも「挑戦」という意味で頻繁に使われるので、そこから冒頭の形容詞としての意味を連想するのは比較的容易だと思う。
at all
「(否定文で)全く….ない」「(疑問文で)少しでも」等の意味を持つ表現。分解すれば、at(点)+all(全て)→「全ての点で」ということ。この例文の場合は、「それらの仕事は全ての点でやりがいがない」という直訳から、冒頭の「(否定文で)全く….ない」という意味につながる。
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