DUO3.0例文解説メモ #422
DUO3.0例文の422本目です。
appeal to…
「…に強く訴える」「…に魅力がある」「…に上訴する」等の意味を持つ表現。動詞appealは、ap(~の方へ)+peal(駆り立てる)→「…の方へ駆り立てる」ということ。ここから「船を陸に向けて駆り立てる」という航海用語として使われていた単語となる。そして、ここから「(判決に納得できずに)上訴する」というような意味に派生し「…に強く訴える」というより一般化された意味としても使われるようになっている。
なお、冒頭で述べた「…に魅力がある」という意味は、「(人ではなく)モノが人に対して強く訴える」ということ。このサイトに例文と一緒に説明されているが、動詞のappealは「何かを誰かに強く要求する」というようなニュアンスとなり、日本語で使っているアピール(魅力を訴える)とはちょっとズレがある単語となる。
この例文ではWe should appeal to reasonとなっており「私たちを理性に向けて(自身を)駆り立てていくべきだ」という意味合いからDUOの和訳につながっている。また、「…に魅力がある」という訳については、The idea of living in France really appeals to me(フランスで生活するという考えは本当に魅力的だ)というlongmanの例文を用いて補足すると、「フランスに住むという考えが私に向かって駆り立てている」ということになる。
reason
「理由」「言い訳」「道理」「理性(*)」等の意味を持つ名詞(動詞の意味もある)。語源は「論理的に考える」というようなところから来ており、ratio(率)、read(読む)等で使われている語根re(算出する)を持っていることに由来している。辞書を引くと分かると思うが、冒頭で挙げた「理由」「言い訳」は可算名詞、「道理」「理性」は不可算名詞という分類になっているが、どちらも「論理的に考える上で必要なもの」という共通点がある。
なお、この例文ではWe should appeal to reasonという形で使われているので「私たちは論理的に考えることに強く訴えるべきだ」となり、文脈から(もしくは不可算名詞で使われていることから)、reason=「理性」という意味で使われているのが分かると思う。
(*)「理性」=感情ではなく、筋道を立てて物事を考え判断する能力
resort to…
「(やむなく)…に頼る」「(やむなく)…に訴える」等の意味を持つ句動詞。動詞resortは、re(再び)+sortie(外出)→「再び外出する」ということ。ここから「困った状況下において、助けを求めて繰り返し外に出る(=逃げる)」というようなニュアンスとなり、その逃げ先をtoで指し示すことで冒頭の意味につながっている。
なお、この例文ではresort to violenceという形で使われており「暴力に逃げる」ということになる。また、resortには名詞の意味として「行楽地」「頼りの綱」等の意味もあるが、前者は「気晴らしのために繰り返し行く場所」、後者は「困ったときに助けを求めて繰り返し行く場所」ということになる。
個人的には、sortie(外出)という単語がそれほどメジャーではないと思うので、「リゾート」=「現実から逃げる(場所)」というようなイメージと紐付けておき、そこから上述の意味に展開していくのがよいと思う。
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