DUO3.0例文解説メモ #329
DUO3.0例文の329本目です。
compulsoryと似た意味を持つ単語にmandatoryとobligatoryがあります。語源を意識するとニュアンスの差も分かると思います。
regard A as B
「AをBと考える」「AをBと見なす」という意味の表現。regardless of…(…に関係なく)にでも触れたが、regardは、re(再び)+gard(見る)→「再び見る」ということ。
そのため、regard A as Bという形で「AをBとして再び見る」→「AをBとして何度も見る」→「AをBとして考える」といった具合に冒頭の意味につながっている。前の例文で出てきたregarding…(…について)も読み返してもらえるとこの単語のイメージが強化されると思う。
compulsory
「義務的な」「必須の」等の意味を持つ形容詞。語源はcom(一緒に)+puls(駆り立てる)+ory(形容詞語尾:性質)→「皆で一緒に駆り立てる」ということ。ここから「必要性があることに対して皆で駆り立てる」といったニュアンスとなり冒頭の意味につながっている。なお、pulsが駆り立てるという語根を持つのは、pulse(脈、パルス)が血液を駆り立てる(押して流す)ことから連想できると思う。
compulsory, mandatory, obligatoryの違いについて
DUOの例文には出てこないが、compulsoryと同じような意味を持つ単語にmandatoryとobligatoryがあるので、その違いについてもちょっと触れておく。
①mandatoryは語根mand(命令)を持つ単語となるため、命令や法律による強制力というイメージ(demandで語根mandに触れているので読み返してもらえると理解が深まると思う)。
②obligatoryは前の例文で出てきたoblige(何かを結びつけるイメージ)の形容詞形。結び付けられるものは明示されていないのでルール、常識、倫理等になると思う。余談になるが、ポルトガル語で「ありがとう」はobrigadoという(女性であればobrigadaとなる)。obrigadoはobrigar(英語のobligeに相当)の過去分詞形で「義務付けられた」という意味になるので、相手のしてくれた行為に対して「義務付けられて」言う言葉という解釈もできる。そして、それを義務と感じるかどうかはその人の常識、倫理となると思う。長々書いてしまったがまとめると下記のような感じとなる。
- compulsoryは必要性があることに対する義務
- mandatoryは命令や法律で強制されるものに対する義務
- obligatoryはルール、常識、倫理観などから来る義務
この辺りのイメージが実際の使い方とマッチしているかどうか色んなサイトを見てみたが正直ちょっと分からなかった。例えばこのサイトでは下記のような内容となっている。
- 辞書上ではどれも法律やルールで要求されるという説明がされている
- フォーマル度(使用頻度は逆):obligatory -> compulsory -> mandatory
- obligatoryは義務とは関係ない「恒例の」という意味もある
- ルールや法律による強制ならmandatoryを使うのが良い(最も使われているから)
また、実際にmandatoryやcompulsoryが使われている例を見てもいまいち使い分けは分からなかった。例1:mandatory sentencing(最低刑期)、mandatory retirement(定年退職)、例2:compulsory military service(兵役義務)、compulsory education(義務教育)
obsolete
「廃れた」「時代遅れの」等の意味を持つ形容詞(動詞の意味もある)。語源は、ob(離れる)+solete(習慣になっている:ラテン語のsolereより)→「習慣から離れる」となり冒頭の意味につながっている。
ただ、solete(習慣になっている)という語根を覚えないといけないので、個人的にはobsoleteとして覚えてしまうのがよいと思う。なお、この文章ではas being obsoleteとなっているがobsoleteだけでも意味としては問題ないと思う。be動詞の進行形であるbeingを入れることで、今は時代遅れとなっていますよというようなニュアンスが加わるのだと思う。
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