DUO3.0例文解説メモ #053
DUO3.0例文の53本目です。
内容、単語のチョイスからも分かるようにちょっと硬めの文章になってます。
この例文で使われているforbit(禁止する)という動詞。海外ドラマのFriendsでも次のようなシーンで使われてました。具体的にはドアに聞き耳を立てている様子を見て、the forbidden love of a man and his door?(ドアとの禁じられた恋?)という場面です。
総称人称について(一般の人々)
文脈が分からないので何とも言えないが、一般的な総称人称であるyouを使わずにweを使っているのは、誰もがクローン技術を適用できるわけではないからかもしれない。
クローン技術を研究している科学者たちという意味でこのweを使っているのか、それとも、クローン技術を有している国が「我々は」という意味でweを使っているといった状況だろうか。総称人称については#010でも説明しているので内容を読み返してもらえると理解が深まると思う。
apply A to B
「AをBに応用する」という意味の表現。この表現で使われている動詞applyは「申し込む」「適用する」「当てる」等の意味を持ち、語源は、ap(~の方へ)+ply(折る)→「何かに向かって折る」ということ。ここから「何かにくっつける(当てる)」といったニュアンスとなり、前述の意味につながっている。
そのため、<apply A to B>という形で「AをBに当てる」となり、意訳すれば冒頭の意味となる。例文に沿って考えれば、cloning techniques(クローン技術)をcattle(牛)にapply(当てる)ということ。
cattle
「畜牛(人間に飼われている牛の総称)」を意味する名詞。語源は、語根cap(頭)に由来しており、同語根を持つ身近な単語にcapitalがある。少し遠回りになるが理解の容易さを優先してcapitalの説明から始める。
capitalは頭という基本イメージから「主要部分」「重要部分」といったニュアンスを持っており、下図のように多岐にわたる意味を持つ単語となる。この中で注目して欲しいのが「資本」「財産」という意味。当時、牛は富の象徴だったので、牛=財産という構図から語根cap(頭)が畜牛にも使われcattleという単語になっている。
なお、牛と聞いてcowを思い浮かべる人もいると思うが、cowは主に乳牛(搾乳目的の雌牛)を指す。また、cattleは集合名詞となるのに対して、cowは普通名詞となるので数え方が異なるので要注意。そのため「20頭の牛」という意味であれば、20 head of cattle、20 cowsといった感じになると思う。
let alone…
「…はもちろん」「…は言うまでもなく」等の意味を持つ表現。分解して考えれば、let(許す)+alone(単独で)→「…の単独を許す」となり、「…を放っておく」といった意味合いとなる。似たような表現にlet A alone(Aを放っておく)というのがあるので、こちらの表現を知っていればスムーズに理解できると思う。
本題に戻り、本表現はネガティブな文に続く形で使われるので「…を放っておくなんて論外」といったニュアンスとなる。この例文に沿って考えれば「クローン技術は牛に適用してはいけない、人間に適用するのは放っておいて」となり、意訳すれば冒頭の意味となる。一般的には「…」の部分には前半よりも非現実なものが来ることが多い。
human beings
「(総称としての)人間」という意味の表現。分解して考えれば、human(人に関する)+beings(存在するということ)→「種としての人間」となり、冒頭の意味につながっている。
口語ではbeingsを省略してhumanとだけ言うことが多い(この場合、humanは名詞、human beingsの場合は形容詞になる)。今回の例文は、生命に関する内容になっているので、humanではなくhuman beingsとした方がしっくりくるのではないかという印象。
forbid
「禁止する」「妨げる」等の意味を持つ動詞。語源は、for(否定)+bid(命令する)→「~しないように命令する」となり、冒頭の意味につながっている。
接頭辞for(否定)は語根per(前に)に由来しており、「前にいる人」→「対立」→「否定」といった流れとなる。なお、bid(命令する)という語根は覚えてもあまり有用ではないので、個人的には語源に遡らずに単語として覚えてしまった方が効率的だと思う。
ちなみに、禁止と言えばforbid以外にもprohibitやbanがあるが、forbidは公的な禁止というニュアンスはなく、日常的・個人的な関係性の中で禁止するという意味合い。ここでは、クローン技術を適用してはいけないという公的な取り決め(法律、規則)はないが、常識的(倫理的)に考えて、それはダメだよというニュアンスだと思う。なお、longmanには日常会話ではforbidの代わりにnot allowを使うと説明されている。
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