DUO3.0例文解説メモ #405
DUO3.0例文の405本目です。
社会人であれば、bribe(賄賂)はコンプライアンス教育で見聞きしたことがあるかもしれません。
senior
「上級の」「上位の」「高年齢の」等の意味を持つ形容詞(名詞としての意味もある)。語源は、sen(古い)+ior(比較級語尾)→「より古い」ということ。古い=年上(先輩)=尊敬べき人という構図から、単純に年上というだけでなく、位が上というニュアンスにも派生し冒頭の意味につながっている。
日本語でも高齢者向けのことを「シニア向け」と言うし、会社に勤めている人であれば名刺の肩書でSenior Manager(上位のmanager)というのを目にした人も多いと思うので、比較的ピンとくる単語だと思う。
少し雑談になるが、日本でmanagerというと芸能人の管理をする人という印象が強い気がする。ただ、海外ではそんなことはなく会社組織で言うところの課長がmanager、部長がsenior managerに相当すると思う。
official
「高官」「幹部職員」等の意味を持つ名詞。要するに、政府や組織に属している正式な立場にある人ということ。語源は、of(仕事)+fic(~する)+ial(形容詞語尾:関する)→「仕事に関する」となり、ここから「仕事上のポジション」「働く人たち」「公式な(おそらく、仕事=公的な仕事という構図が当時あったため)」といったニュアンスに派生して冒頭の意味につながっている。詳細はこのサイトで説明されているので一読してもらいたいが、比較的ポジションが上の人に対して使われる印象のある単語となる。
一方、officialは「公式な」「正式な」等の意味を持つ形容詞として広く知られている単語でもあるが、これは前述した「仕事に関する」という内容が「公のサービスや業務」を指し、そこから「当局の」「公務の」という意味になり、「公式な」「正式な」という意味に派生したのではないかと思う。
そして、形容詞の意味が名詞化されて「公のサービスや業務」に従事する人という意味合いになり「政府や組織に属している正式な立場にある人」となるのではないかと思う(語源を調べてもこの辺りは明確に分からなかったのでかなり推測が入ってしまっているが)。なお、この例文ではsenior officialという形で使われており、official(高官)の中でも上位の人ということになる。
suspect A of doing…
「A(人)に…したことの嫌疑をかける」という意味の表現。動詞suspectは、sus(下から上に)+pect(見る)→「下から上に見る」というイメージになる。通常、物事は正面から見るが、下から見ること=見えてない部分を見ることとなるため「疑って見る」というニュアンスにつながっている。そのため、suspect A of doing…という形で「…したことについて疑って見る」となり意訳すれば冒頭の意味となる。
また、色んな所で説明しているので重複する内容になるが、toは「これから向かう」という感覚から「これからすること」に焦点が当たり、-ing形は躍動感を意味し「頭の中で過去の状況がリプレーされている」という感覚から「既にしたこと」に焦点が当たる(詳細を知りたい人は大西先生の本を一読するのをお勧めする)。なお、説明不要だと思うが、この例文ではA is suspected of doing…という受動態で使われている。
bribe
「賄賂」という意味を持つ名詞(動詞の意味もある)。語源は、一切れのbread(パン)を渡すということろに由来しているらしい。日常的に使う単語ではないが、海外赴任者にとっては何かと使う機会が多い単語かもしれない(現地人へのコンプライアンス教育という意味で)。
自分も何度か使ったことがあるが、もし忘れてしまった場合は、breadと紐付けておくと最初の2文字が同じスペルになるので、思い出すきっかけ程度にはなると思う。
sufficient
「十分な」「満足な」等の意味を持つ形容詞(名詞の意味もある)。語源は、suf(下から上に)+fic(作る)+ent(現在分詞末尾:状態)→「下から上に積み上げていく」というイメージとなる。このイメージから目的を達成するというニュアンスが生じて冒頭の意味につながっている。
似たような意味を持つ単語にenoughとadequateがあるが、意味の違いについてはここで説明しているので気になる方は読んでもらえるとよいと思う。
evidence
「証拠」「証言」等の意味を持つ名詞(動詞の意味もある)。語源は、形容詞evident(明白な)の末尾が名詞化(-ence)された単語となる。なお、evidentは、ex(完全に)+vid(見る)+ent(現在分詞語尾:状態)→「完全に丸見えの状態」というイメージから前述の「明白な」という意味につながっている。
本題のevidenceはこれが名詞化されたものとなり冒頭の意味につながっている(明白なものということ)。文法的な注意事項となるがevidenceは不可算名詞となるので要注意。和訳である「証拠」「証言」から考えると可算名詞である印象を受けると思うが、語源に遡ってみると「完全に丸見えの状態」ということになるので不可算名詞であるということも少しは納得できるのではないかと思う。
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