【基礎編】3.1 瞬間英作文の取り組み方 ~話せる英語を目指して~
瞬間英作文の取り組み方です。
「何のためにやるのか?」を把握することは非常に重要です。
なお、瞬間英作文は勉強というよりは「トレーニングに近い」です。
瞬間英作文で「なぜ話せるようになるのか」というのが理解できると思います。また、そのロジックを理解しておくことで効率的な取り組み方につながると思います。
瞬間英作文をやる理由
瞬間英作文は既に持っている中学程度の英語知識(文法や単語)を使えるレベルに昇華するためのトレーニングです。通常、日本人は英語のOUTPUTをしようとするとき、英語知識(文法や単語)を使って日本語脳内で逐語的に英訳をしています。
この方法だと、時間的に余裕のあるWritingはこなせるのですが、英語の高速キャッチボールであるスピーキングに対応するのが困難です。日本の英語教育でOUTPUTとして求めれるのは筆記がメインです。そのため、知らず知らずのうちにこの習慣が染みついてしまっています。
そこで、瞬間英作文トレーニングを通じてこの悪しき習慣の断ち切ります。
瞬間英作文をやる目的
瞬間英作文の目的は次の2つになります。勉強というよりはトレーニングという表現の方が適切だと思います。
- 英語脳に点を作る:こういう時はこう表現するというパターン化の習得
- 作った点を広げる:英語知識(文法や単語)を英語脳内で展開することで点を広げる
多くの瞬間英作文教材は、上記目的を達成できるように作り込まれています。学習者は特に意識せずに単に教材に沿って学習するだけで成果を上げることができます。そのため、なぜ瞬間英作文で英語運用能力が向上するのかというのはあまり考える必要はないのですが、モチベーションを維持のためにはこの辺りの情報を知っておくのは非常に重要だと個人的に思っています(経験上、自分を納得させられない勉強法を長く続けるのは難しいと思います)。
本記事では、なぜ瞬間英作文を行うことで英語運用能力が上がるのかというのを、英語脳内に点を作って広げるという視点で説明してきます。
瞬間英作文の流れ
瞬間英作文は文字通り「日本語の文章を瞬時に英訳するトレーニング」です。具体的には、下記のStep1~Step3の流れで進めていきます。
- Step1. 日本語の文章を英訳する
- Step2. 英訳時間を徐々に短くしていく
- Step3. ベースとなる構文があり、内容が徐々に長くなったり変化していく
なぜ英語脳の構築ができるのか?
ここでは、上述したStep1~Step3に沿って瞬間英作文を行うことで「なぜ英語脳構築ができるのか」を説明していきたいと思います。
Step1. 制限時間が十分長いとき
学習者は脳内で次の①~④の処理を行っています。そして、最も時間がかかるのが③の部分です。通常、この部分の処理は、文法・構文・単語等の知識を使って、逐語的に英作文しているはずです(気付いてなくても学校でそのように教わっているはずです)。そして、この処理方法で最も注目すべき点は、全て日本語脳で行っているという点です。ただ、制限時間が十分長い条件下ではこの処理方法でもこなせてしまいます。
- ①日本語の文章が日本語脳に入る
- ②日本語脳で処理されて意味が分かる
- ③単語と文法の知識を使って文章組立する
- ④組み立てた英文を発話する
Step2. 制限時間が短くなった時
制限時間が短くなると、日本語脳内で逐語的に訳すという処理では間に合わなくなります。そのため、上記の③の処理経路を変更する必要性が出てきます。具体的には「日本語でこういう時は、英語でこういう」というパターン(点)を作って処理せざるを得なくなります。
Step3. 内容が長くなったり、変化したりした時
制限時間の制約から、日本語脳を使った逐語的な英作文では間に合いません。そのため、上記で作った点をベースにして、既に持っている英文法や英単語の知識を英語脳内で展開し派生表現を作らざるを得なくなります。下図のように、英語脳内にある点から枝(文法や単語)を伸ばして英作文するというイメージになります。そして、そのようなトレーニングを行っていくと、次第に英語脳内にある点が拡大するということになります。
トレーニング成果について
英語脳内に構築した点をベースにそこから既に持っている知識を展開することで(広げることで)、日本語脳を介さずスムーズに英語で会話ができるようになります。
回路の定着について
瞬間英作文の目的は暗記ではありません。中学レベルの英語知識を英語脳内で瞬時に展開できるようにすることにあります(とはいえ、点作りの部分は少し暗記要素が入りますが)。人間は覚えたことは忘れる生き物なので、せっかく作った点や広げた点も何もしなければ次第に消えていってしまいます。そのため、瞬間英作文テキストを一巡したら終わりという訳ではなく、数カ月期間を空けても瞬時に組立ができるようトレーニングを継続する必要があります。
このように書いてしまうと、半永久的に継続する必要があるのか?という疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思います。結論から言ってしまうと、その必要はありません。詳細は学習の進め方で説明しますが、管理人の経験上、5~6巡で定着化できると思っています。その理由は下記となります。
- 既に持っている知識を使えるようにするトレーニングなので、一度体で覚えてしまえば忘れにくい
- 英語の学習を継続する=構築した英語回路の復習にもなるため
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