DUO3.0例文解説メモ #072
DUO3.0例文の72本目です。
この例文で出てくるoddは多義語になります。こういった多義語は語源からアプローチすると意味の整理ができ、効率的に学べることが多いです。
海外ドラマのFriendsでは、oddを使ったWhat’re the odds of that happening?(そんなことが起きる確率はどれくらい?=ものすごく低いだろう?)という表現が出てきたのを覚えています。
odd
「奇妙な」「奇数の」「片方だけの」等の意味を持つ形容詞(名詞の意味もある)。語源は「奇数」に由来しており、そこから冒頭の「奇数の」「片方だけの」といった意味につながっている。なぜ奇数が奇妙な数字になるかというと、人間の体が左右対称になっていて腕や足や眼が二つであることに起因しているという説が有力。そこから、2で割り切れない(余りが出るもの)が奇数と呼ばれるようになったと言われている。そして、2で割り切れない→「片方だけの」という意味にもつながっている。
ちなみに、偶数はevenと言い、we’re even(五分五分よ→それでちゃらよ)というような使われ方もする。なお、oddは複数形oddsにすると、可能性、確率、勝算という意味を持つようになる。これは、evenの五分五分という感覚に対し、奇数は半分にできないため、勝ち負けがはっきりするというところに由来しているらしい。また、oddsには、競馬や競艇で使われる払戻金の倍率という意味もある(日本語でもオッズという単語は使われている)。これも勝ち負けがはっきりすることに由来している。
how it happened
「どうしてそのようなことが起きたのか」という意味の表現。直訳すれば「どのようにそれが起きたのか」となり、意訳すれば冒頭の訳となる。ここで、howではなくwhyにすれば「なぜそれが起きたのか」という意味にもなる。日本語訳だけをみてしまうと、howでもwhyでもあまり差がないように感じてしまうが、howの場合は「それが起きた過程」を聞いているのに対し、whyの場合は「単に理由を聞くニュアンス」となる。
少し脱線するが疑問文にすれば、How did it happen?となる。be動詞以外の文を疑問文にするときは、助動詞doを入れて主語と入れ替える(倒置)というのが文法的なルール。オリジナルの文を、It happened this way(それはこのように起きた)とし、これを強調する場合、It did happen this way.このthis wayを聞きたい場合、It did happen how?となり、聞きたいのはHowなので、それを一番最初に持ってきてHow it did happen.となる。そして、疑問文にするときは動詞と主語を入れ替える(倒置)というルールがあるので、How did it happen?となる。疑問文は相手に聞く文となるので、強調の助動詞doは残して、倒置して感情を出しているという感じ。
本題に戻って、例文のHow it happenedは「どうしてそれが起きたのか」という淡々とした文章なので、強調のdoも入らなければ、how以下の倒置も起きない。この辺りの感覚的な説明は大西先生の本に記載されているので気になる方は一読をお勧めする。
explain A to B
「A(対象)をB(人)に説明する」という意味の表現。この表現で使われている動詞explainは「説明する」という意味を持ち、語源は、ex(外に)+plain(平ら)→「外に向かって平らにする」ということ。ここから「分かり易く説明する」といったニュアンスとなり前述の「説明する」という意味につながっている。
そのため、<explain A to B>という形で「Aという対象をBに向かって平らにする」というイメージとなり、意訳すれば冒頭の訳となる。語源イメージから分かるように、explain(外に向かって平らにする)するのは、人ではなく説明する対象となる。そのため、explainの目的語は「説明する対象やthat節」となり、tell him about itのように人を目的語にとらない点に要注意。なお、この例文の場合は、it(なぜそれが起きたのか)をexplain(外に向かって平らにする=分かるように説明)するよ、to you(あなたに向かって)ということ。
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