DUO3.0例文解説メモ #398
DUO3.0例文の398本目です。
doとexecuteの違いについて考察してみました。
executive
「幹部」「重役」「行政機関」等の意味を持つ名詞(形容詞の意味もある)。語源は、execute(実行する)+接尾辞-ive(名詞語尾:性質)→「実行する性質のある」ということ。ここから「法律を執行する役割をもった機関」→「ハイクラスな人たち」といったニュアンスとなり冒頭の意味につながっている。
なお、execute(実行する)という意味については比較的知られた単語となるので既に知っている人も多いと思う。また、実行ファイル拡張子でお馴染みのexe(execution(実行)の略)があるので、そこから連想するのもよいと思う。
補足:executeの語源
executeは「実行する」「処刑する」等の意味を持っており、語源は、ex(外へ)+secute(続く)→「外に出るまで後ろを追っていく」ということ。ここから、①計画を最後まで追っていく→「実行する」、②人を最後まで追っていく→「処刑する」といった具合に前述の意味につながっている。
doとexecuteの違い
どちらも「実行する」という意味を持つ動詞。一般的には下記特徴がある。
- ①executeの方が複雑なこと・難しいことに用いられる
- ②executeの方がdoよりも丁寧な表現という特徴がある
少し補足すると、上記で説明したようにexecuteは「外に出るまで後を追っていく」というイメージとなるので、①外に出るまでの苦労が感じられるため、複雑なこと・難しいことに対して用いられ、②外に出るまでの過程も感じられることから丁寧さにつながっていると考えられる。
entertain
「楽しませる」「接待する」「(提案・考え等を)受け入れる」等の意味を持つ動詞。語源は、enter(間)+tain(保有する)→「何かをある間(状態)に保有する」ということ。
ここから、①相手の心を楽しい状態に保有する→「楽しませる」、②相手の心を満たされた状態に保有する→「接待する」、③提案や考えを自身の心の間に保有する→「(提案・考え等を)受け入れる」といった具合に冒頭の意味につながっている。
日本語でもエンターテインメント(娯楽)という形でよく使われる単語だが、この定義だと③の意味が推測できないので、上述した単語のイメージで捉えておくのがよいと思う。
bureaucrat
「官僚」「官僚主義者」等の意味を持つ名詞。便宜上、bureaucracy(官僚制度)という単語から説明を始める。この単語の語源は、bureau(机)+cracy(権力)→「机上で働いている権力を持った組織」というようなイメージとなる。
また、官僚制度をwikiで調べると「ピラミッド型に整理された、権限の分担とその指揮系統に関する官僚の階層構造」というような説明が為されているが、砕いた説明をすれば、トップの意思決定が適切に伝わる(遂行される)ように役割や権力をピラミッド状にした制度といった感じになると思う。ご存知のように、これは行政に適用されている制度となり、そういった制度を持つ組織内で働いている人たちは「毎日決まったルーチンワーク(いわゆる、お役所仕事)をする」ことが主となるので、前述した「机上で働いている権力を持った組織というようなイメージ」となる。
bureaucracyという単語は、官僚制度という意味以外にも、集合的な官僚(官僚制度という組織内にいる人たち)、お役所仕事(官僚制度という組織内のルーチンワーク)という意味を持っている。
次に本題のbureaucratだが、これは接尾辞-cracy(権力)が-crat(力や権力に属する一員)に変わった単語となる。そのため、机上で働いている権力を持った組織に属する人というイメージから冒頭で述べた「官僚」、「官僚主義者(官僚的な考え方をする人)」等の意味につながる。
参考までに、bureauについて少し補足すると、語源は前述したように「机(さらに遡れば机の上に敷く布)」に由来しており、そこから「オフィス(机が集まる場所)」→「(役人の)局」というように意味が派生した単語となる。身近な使用例を挙げれば連邦捜査局(FBI:Federal Bureau of Investigation)がある。
exclusive
「排他的な」「独占的な」「高級な」等の意味を持つ形容詞。語源は、ex(外へ)+clus(閉じる)+ive(形容詞語尾)→「外へ出して閉じる」というイメージとなる。
このイメージから、①部外者を排斥する→「排他的な」、②一部の人(中にいる人)しか利用できない→「独占的な」、③一部の人(中にいる人)しか利用できないほど高い→「高級な」といった感じで冒頭の意味につながっている。なお、この例文では③の意味で使われている。
hoping for something in return
「何か見返りを求めて」という意味の表現。文法的には付帯状況を表す分詞構文となり、#094や#219でも出てきているので読み返してもらえると理解が深まると思う。一部重複する内容になるが、簡単に説明すると、分詞構文は躍動感を表す-ing形にして文章に並べること(繋げること)で文脈によって同時進行や原因・理由等の意味になるという感覚。
この例文の場合、something in returnで「返ってくる何か」→「見返り」といった意味になるので、そういうものをhoping for(望みながら)、接待したということになる。
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