DUO3.0例文解説メモ #057
DUO3.0例文の57本目です。
opposeは他動詞の意味しか持たない動詞としてよく試験で出題される単語です。この例文を理解して暗唱すればこの手の問題は自然と解けます。
opposeは他動詞となるため、oppose to…はNGですが、この例文で出てくる受動態be opposed to…はOKです。
on ethical grounds
「倫理的な理由から」という意味の表現。分解して考えれば、on(接触)+ethical(倫理的な)+grounds(根拠)→「倫理的な根拠に接触して」ということ。ここから「倫理的な根拠に支えられて」といったニュアンスとなり、冒頭の意味につながっている。少し分かりにくいと思うので、分解した単語について補足をしていく。
まず前置詞onだが、コアイメージは「接触」ということ。ここから、何かの上に立って支えられているといった意味合いに派生している(詳細はリンク先で説明しているので参考にして頂ければと思う)。
次にethicalだが、「倫理上の」「道徳的な」等の意味を持つ形容詞で、語源は「自身を置く」ということ。ここから「自身の置き方」といったニュアンスとなり、「マナー」「習慣」を経て「倫理的な」という意味につながっている。
最後にgroundだが「地面」「土地」といった意味から想像できるように「何かの基礎・基盤」というニュアンスを持つ。ここから「理由」「根拠」といった意味にも派生している(この意味では、様々な理由や根拠を意味することから基本的に複数形となる)。
以上のことを踏まえると<on ethical grounds>という表現は、感覚的には「倫理的な土地の上に立っておりその土地は確固として揺るがない」といったイメージになると思う。そのため、groundsになりうるのは、法律や理論などのカッチリとしたものとなり、法律関係の本、契約書、論文等で使用される固い表現となる。
longmanにも類似表現として、moral grounds(倫理上の理由)、legal grounds(法律上の理由)といったものが掲載されている。
be opposed to…
「…に反対している」という意味の表現。この表現で使われているopposedは動詞opposeの過去分詞が形容詞化されたものとなる。動詞opposeは「反対する」「争う」等の意味を持っており、語源は、ob(向かって)+pose(置く)→「何かに向かって置く」ということ。ここから、「何かに反対する」といったニュアンスとなり前述の意味につながっている。
この例文では形容詞化されたopposedを使って、<be opposed to…>という形で「…に反対している」ということ。文法的な話になるが、opposeは他動詞の意味しか持たない動詞としてよく試験で出題される単語となる(oppose to….のように前置詞toを入れたら間違いなど)。そのため、この辺りを意識しつつ混乱しないように例文暗唱に取り組むとよいと思う。
なお、longmanには下図のようなグラフが載っており、同じような意味を持つ表現との使用頻度が分かる。こういう表があると、英語を外国語として学ぶ人にはすごく役立つ。一目瞭然だが、会話においては、カジュアルなbe againstが用いられ、文章では少し硬いopposeが好まれる特徴があるということ。
ちなみに、会話でbe againstが好まれる理由としてはカジュアルな点に加え、oppose, be opposed toには、ただ反対するという意味だけでなくそれを阻止するような行動も含むためとの説明がある(この辺りのニュアンスは反対方向に置くという語源イメージから感覚的に理解できる)。
この例文は、on ethical groundという固い表現も使われているので、会話で使うような表現ではなく文章で用いられるような表現だと考えられる。
so-called
「いわゆる」「俗にいう」等の意味を持つ形容詞。分解して考えれば、so(そのように)+called(呼ばれる)→「そのように呼ばれている」となり、冒頭の意味につながっている。一般的にそう言われているというニュアンスももちろんあるが、大抵はそうは言われているけれど(実際は違う)という否定的なニュアンスで使われることが多い表現。
longmanの例文には、The so-called experts couldn’t tell us what was wrong.(いわゆる専門家と呼ばれる人たちは、何が間違っていたのか伝えることができなかった)といったものが掲載されており、専門家をあまりよく思っておらず専門家なのにという皮肉が込められているのが分かる。この例文の場合は、どちらの意味で使われているのか判断が難しい。
gene
「遺伝子」という意味の名詞。語源は、語根gen(生む)を持っていることから冒頭の意味につながっている。なお、同語根を持つ単語は無数にあるが比較的イメージしやすいものとしては、generator(電気を生み出す発電機)、generation(生み出すこと→結果として世代ができる)といったものがある。
therapy
「(長期にわたる)治療」「心理療法」等の意味を持つ名詞。語源は、ギリシャ語 のtheraps(付き添い)に由来しており、「人のケアをする」「治療する」といったニュアンスを持つようになり、冒頭の意味につながっている。
日本語でもアロマセラピーや○○セラピーという形で使われているので比較的身近に感じることができる単語だと思う。なお、この例文でも使われているgene therapy(遺伝子療法)という熟語以外にもradiation therapy(放射線治療)といったものがあるが、日本語のセラピーという感覚だとちょっと結びつかないと思うのでその点は要注意。
冒頭で説明したように「付き添って」というニュアンスから「長期間」というようなフレーバーも持つ単語となる。
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