DUO3.0例文解説メモ #355

DUO3.0例文の355本目です。
oweは感覚の掴みにくいちょっと厄介な動詞です。この例文と一緒にそのコアも習得したいところです。

owe
「借りがある」「~のおかげである」等の意味を持つ動詞。語源はownと同じく「持っている」ということ。ただ「持っている」という意味はownに引き継がれて、owe自体は下図のように「受け取ったものを元の持ち主に返す」というイメージになっている。
ここから冒頭の「借りがある」「おかげである」といった意味につながっている。日常会話でも頻繁に使われるが少し理解しにくい単語なので「文型」という切り口で整理をしておく。
第四文型(SVOO)を取るowe
この例文で使われているYou owe me $200は第四文型となっている。ちょっと寄り道になるが、第四文型(SVOO)を取る動詞はその後に人とモノを並べることから「主語が人に何かを渡す」という特徴を持つ文型となる。これは、例を挙げて説明した方が分かりやすい。
例えばYou gave me $200という文では、主語S(You)の後に動詞V(gave)が来て、人O(me)と物O($200)が並べられている。gaveの意味は放っておいても、You, meの間で$200の受け渡しがあるということは容易に想像できる。別の見方をすれば、第四文型を取る動詞というのは「主語が対象者に何かを渡す」という授受の機能を持っているということ。
上記はgaveで説明したが、第四文型を取る他の動詞(tell, write, send等) も下図のように「主語が対象者に何かを渡す」という授受の意味になる。
前置きが長くなってしまったが、一番上で示したoweの概念図を見て頂ければoweも「主語が対象者に何かを渡す」という授受の関係になっているのが分かると思う。また、oweのコアは「受け取ったものを元の持ち主に返す」ということなので、下図の赤線部分に焦点が当たることになる。
そのため、You owe me $200という形で「あなたは私に$200返さなければいけない」→「あなたに$200貸しているよ」という意味になるということ。第四文型は「主語が対象者に何かを渡す」という構図なのだがoweに関して言えば「対象者が主語に何かを返す」という逆の方向になってしまうので混乱しやすい単語となる。
なお、oweは具体的なモノ以外の授受にも使うことができ、I owe my parents a lotとすれば「私は両親にたくさんのこと(義務や恩義)を返さなければいけない」→「私は両親に随分恩義がある」という意味になる。
第四文型(SVOO)を取れないowe
「~のおかげである」という意味でのoweは第四文型は取れずに第三文型として使われる。この辺りもoweの理解を難しくしている一因だと思う。残念ながらDUOの例文には出てこないので、最重要構文540で出てくる下記例文を使って説明する。
oweは「相手に返さなければいけない」というニュアンスがあることは前述しているので、この感覚で直訳すれば「私は両親に返すべき今の自分を所有している」となる。ただ、この例文におけるwhat I am today(今の私があること)というのは返せるものではないため、授受を伴う第四文型は取れないということ。参考までに、上記で説明した第四文型を取るoweは第三文型(SVO)に書き換えることが可能となる。
例えば、You owe me $200であればYou owe $200 to meとなる(大西先生の本には文型の書き換えによりニュアンスが異なるとの説明がされているので、あくまで文法上は出来るということ)。You owe $200 to meという文章は「私はあなたに返すべき$200を所有している」となり、$200は返せるものとなるため、第四文型を取れるということになる。
altogether
「完全に」「全部で」等の意味を持つ副詞。分解すれば、all(全て)+together(一緒に)→「全て一緒に」となり冒頭の意味につながっている。「完全に」「全て」というのを強調する際によく使われる副詞となる。
be hard up
「不足している」「お金に困っている」等の意味を持つ表現。もともとは航海用語で風に背を向けるときにhard up(舵を巻ききれ)と言っていたことに由来するらしい。主に悪天候の中で方向転換するときに使われていたことから、金銭的に逼迫している状況を表す形容詞として使われるようになったらしい。
there you go again
「ほら、またやった」という意味の表現。there you goという表現を辞書で引くと色んな意味が出てくるが、これは状況に応じてthereが指すものが変わってるためだと考えられる。
使い方としては、Hapa英会話で有名なセニサック淳さんの下記動画に分かりやすくまとめられているので一度見てみると非常に参考になると思う。
なお、前の例文で出てきたhere you are(はいどうぞ)でも少し触れているので読み返してもらえると参考になると思う。ちなみに、この例文の場合はthere(=金欠だと言い訳すること)だと考えられるため「あなたはまた金欠だと言い訳することに行くのね」というような直訳になり、意訳すれば「またなの」ということになる。
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