DUO Select 例文解説メモ #058
DUOセレクトの例文58本目です。
文法的には「関係代名詞whichの非制限用法」を使った文章となります。
学校では「制限用法」と「非制限用法」という文法用語で学びますが、とにかくネーミングが分かりにくいです。それぞれ「限定用法」「情報を付加する用法」と置き換えるとしっくりきます。
be proud of…
「…を自慢に思う」「…に満足する」等の意味を持つ表現。「…について誇りに思う」とよく訳される表現となるが、ニュアンス的にはもう少しカジュアルな印象のある表現となる。
下記動画(Hapa英会話)でその辺りの感覚が分かりやすく説明されているので一度見てみるとよいと思う。感覚的には、I’m happy for you(私も嬉しい)といった内容に「誇り」というフレーバーを少し付加した表現になると思う。
▶️(参考)DUO3.0の例文056:be proud of…(…を自慢に思う)
profession
「職業」「団体」「公言」等の意味をもつ名詞。語源は、pro(前に)+fess(述べる)+ion(名詞語尾)→「人前で(専門的な内容を)述べる人たち」 「人前で(専門的な内容を)述べる人こと」 となり冒頭の意味につながっている。
professor(教授)やprofessional(プロフェショナル)という形で日本語でもよく使われるので、そこから意味を紐付けてもよいと思う。
非制限用法のwhich
この例文のようにコンマに続けて使う関係代名詞whichは非制限用法となる。関係代名詞の制限用法と非制限用法については学校で必ず教わる内容だが、制限用法というのは「対象を制限する」という意味なので「限定用法」、非制限用法は「対象を制限しない」という意味なので限定せずに「情報を付け足す用法」という説明の方が感覚的にはしっくりくると思う。詳細な説明はどの文法書にも載っているが、個人的には大西先生の本やマークピーターセンの英語塾の説明が分かりやすいと思うのでそちらを一読頂くことをお勧めする。
冒頭で述べたようにこの例文は非制限用法となり、文章としては「自分の職業に誇りを持っています」というところで完結しており、追加情報としてmy profession(私の職業)をwhichで受けて「それは、やりがいのある、私の一番いいところを引き出せる仕事」という情報を追加しているということになる。
ちなみに、この例文のコンマを無くせば制限用法となり「複数持っている職業の内、やりがいがある一番いいところを引き出している職業に対して誇りを持っている」というようなニュアンスになると思う(無理やり訳してみたが、ちょっと変な感じになってしまう)。
なお、口語の場合は、文脈もしくはwhichの前のポーズの有無にて制限用法と非制限用法を識別することになると思う。この例文の音声を聞いてみると分かると思うが、whichの前にポーズがあるのでその辺りにも注意して聞いてみるとよいと思う。
▶️(参考)DUO3.0の例文011:非制限用法のwhich
rewarding
「やりがいがある」「満足感が得られる」等の意味を持つ形容詞。語源は動詞reward(褒美を与える) の現在分詞が形容詞化したものとなる。「褒美を与えている」→「やりがいや満足感が得られる」となり冒頭の意味につながっている。
rewardを深堀すると、語源は、re(後ろに)+ward(注意を払って見る)→「注意深く確認して返す」ということ。ここから「行為に対して返ってくるもの」というようなニュアンスとなり「褒美を与える」という意味につながっている。
なお、後の例文に同語源を持つaward(賞)が出てきているので、個人的にはそれと絡めて関連付けしてしまうとも良いと思う。具体的には、award(賞)という意味が定着しているなら、接頭辞をre(後ろ)に変えれば「自分に返ってくる賞」→「褒美」「見返り」といった意味が容易に想像できるということ。
▶️(参考)DUO3.0の例文056:reward(報酬)
bring out
「持ち出す」「出版する」「(才能や特徴などを)引き出す」「(製品などを)市場に出す」等の意味を持つ句動詞。分解して考えれば、bring(持ってくる)+out(外に)→「外に持ってくる」ということ。ここから、冒頭で挙げた意味につながるのは想像に難くないと思う。
ちなみに、Berlitzのレベル7の教材に同表現を使った文章があったので参考までに載せておく。She knows how to bring out the best in people.(彼女は人々のベストを引き出す方法を知っている)。直訳すれば「人々の中における最善を引き出す」となり、意訳すればカッコ内の訳となる。
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