DUO Select 例文解説メモ #315
DUOセレクトの例文315本目です。
physician
「医者」「内科医」という意味の名詞。doctorやsurgeon(DUO3.0で出てくる)も「医者」という意味があるが、physicianが「内科医」を意味するのに対し、surgeonは「外科医」、doctorは「漠然とした(内科も外科もひっくるめての)医者」という意味になる。さらに、physicianはdoctorのフォーマルな表現として使われることもある(longmanにdoctorのフォーマルな表現として説明されている)。以上の内容を単語ごとに整理すると次のような感じになる。
- ①doctorは「漠然とした(内科も外科もひっくるめての)医者」
- ②physicianは「内科医」「doctorのフォーマル表現」
- ③surgeon:外科医
この辺りの違いを語源を絡めて説明すると、physicは「自然についての知識」というのがもともとの意味。そして、知識を得るためには「自然界に存在する現象や物質」が研究対象となり、physicsが「物理学」という意味を持つようになる。また、それらを研究する人のことをの接尾辞-ist(従事する人)を付けて、physicist(物理学者、自然科学者)と呼ぶ。一方で、植物や人間も自然界に存在するものとなり、それらを研究して「(薬草などで)人間の自然治癒力を引き出す」という人たちのことを接尾辞-ian(専門家)を付けてphysician(癒す人、内科医)と呼ぶようになる。
医学として先に認知されたのは内科だが、人を治療するにはsurgery(外科手術)による方法もあり、手術する人のことsurgeon(外科医)という。surgeonは「手+仕事」が語源のようなだが英語のスペルからだと想像するのが難しい(他と混乱しやすい)ので説明は割愛する。
最後にdoctorだが、もともとは「教える人」という意味。大学の学位に「学士号」「修士号」「博士号」という3つがあり、修士号をマスター、博士号をドクターと日本語でもよく使うので耳にしたことがある人もいると思う。なぜドクターと呼ばれるかというと最高学位を取得したら教える人になれるということ。その後、doctorという単語が「医者」という意味で使われるようになる(免許取得上の学位が必要だから?)。長くなってしまったが、感覚的な視点でまとめると下記のような感じ。
①漠然と医者と言えばdoctorとなりフォーマルな表現としてphysicianがある(doctorはもともと医者という意味ではないので)。②歴史的にはphysicianの方がsurgeonより古いため、医者という意味ではphysicianがsurgeonも包括する、③内科と外科を区別して表現するにはphysicianとsurgeonをそれぞれ使う。surgeonはスペルの関係上、外科という推測が難しいためsurgery(手術)という基本単語から推測するとよい。
▶️(参考)DUO3.0の例文321:physician(医者)
patient
「患者」という意味の名詞(形容詞の意味もある)。語源は「傷つける」といった意味に由来しており、そこから「病気に苦しんでいる」というニュアンスとなり冒頭の意味につながっている。patientは比較的メジャーな単語だと思うので敢えて語源に紐付けなくても覚えられると思う。
▶️(参考)DUO3.0の例文199:patience(我慢)
commit
「犯す」「誓う」「全てを捧げる」「収容する」等の意味を持つ動詞。語源は、com(一緒に)+mit(送る)→「一緒に送る」ということ。ただ、ここから冒頭の意味に至るまでにかなり意味が変わっているようなので、正直語源イメージに沿った紐付けはできなかった。
ここからは完全なこじ付けになるが、comを強意と捉えて「何かを完全に送り込む」というイメージで次のように考えるとよいと思う。そうすれば、①罪や悪事を完全に送り込む→「犯す」、②自身の全てを送り込む→「誓う」「全てを捧げる」、③人を場所に完全に送り込む→「収容する」といった具合に冒頭の意味に一応紐付けることができる。
少し雑談になってしまうが、ライザップでお馴染みの「結果にコミット」というのは「必ず結果を出す」「結果に責任を持つ」という意味。上述の意味で言えば「誓う」に該当するが、結果に全てを送り込むというイメージを想像すれば自ずと意味は理解できると思う。また、この例文にあるようにcommit suicideで「自殺する」という表現になるので、これはこのセットとして覚えてしまうのがよいと思う。
▶️(参考)DUO3.0の例文403:commit(犯す)
suicide
「自殺」「自殺行為」等の意味を持つ名詞(動詞の意味もある)。語源は、sui(自身)+cide(切る)→「自身を切る」というイメージから冒頭の意味につながっている。なお、語根sui(自身)は三人称の再帰代名詞から来ており、英語で言うところの-selfに相当する単語。
参考までにポルトガル語であれば、Andre lava Andre(アンドレはアンドレを洗う)と言わずに、三人称の再帰代名詞seを使って、Andre se lava(アンドレは自分自身を洗う)という風に表現する。そのため、suiはポルトガル語で言うところのseとなる(ヨーロッパ圏の言語知識のある方であれば似たような単語があると思う)。
また、語根cide(切る)については、前の例文で出てきたdecide(切って離す→決定)でも使われているので、そこから意味を容易に想像できると思う。
▶️(参考)DUO3.0の例文403:suicide(自殺)
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