DUO Select 例文解説メモ #130
DUOセレクトの例文130本目です。
might as well A(Aする方がましだ)は、他にいい選択肢がないときの控えめな提案になります。なぜこのような意味になるのか背景を理解しておきたいところです。
wage
「賃金」「給料」等の意味を持つ名詞(動詞の意味もある)。語源は、語根wag(誓約)を持ち、「労働に対する対価を誓約して支払う」ということ。ここから、時間給とか日当のように時間で決まった賃金を意味する単語となっている。なお、似た単語にsalaryがあるが、こちらは職務とか職責によって決まる給料や月給となる。
▶️(参考)DUO3.0の例文028:wage(賃金)
be likely to…
「…しそうである」という意味の表現。likelyは、like(近い)+ly(形容詞語尾)→「近い」というイメージで捉えるとよいと思う(*)。そのため、be likely to…という形で「…に近い」→「…しそうである」ということ。
*)likeは好きという意味でお馴染みの動詞。ただし、個人的は「近い」というイメージで捉えておけば、I like apples(リンゴの近くにいる→リンゴが好き)、後の例文で出てくるalike(似ている)は、a(~の方へ)+like(近い)→近い方へ→「似ている」という風に応用が利くと思う。
▶️(参考)DUO3.0の例文253:be likely to…(…しそうである)
right away
「すぐに」「直ちに」等の意味を持つ表現。分解して考えれば、right(すぐに)+away(離れて)→「すぐに離れて」ということ。ここから、すぐに離れて行動に移すといったニュアンスとなり冒頭の意味につながっている。
▶️(参考)DUO3.0の例文217:right away(すぐに)
might as well A (as B)
「Aする方がましだ」という意味の表現。might as well A (as B) のas Bが省略された形で、ニュアンス的には、他にいい選択肢がないときの控えめな提案になると思う。説明が長くなるが、順を追って説明していく。
Step1:「AするのもBするのも同じだ」という意味について
「AするのもBするのも同じだ」「BするならAする方がましだ」等の意味を持つ表現。この表現を理解するには、as far as…(…の範囲では)で説明した同等比較(いわゆる、as~as…を使った構文)の理解が必要となるので、まずは簡単な復習から始める。詳細はリンク先の説明を読み返してもらいたいがas(イコール)の機能を使って、前半のasは副詞で「同じくらい~」という程度を表し、後半のasは接続詞となり「…と比べて」という基準を表す。
それに加えて<may well + 動詞の原形>で説明したようにwellは「その度合が十分」という意味を持つため、might as well A as Bを直訳すれば「Bと比べてAはその度合いが十分だろう」→「AするのもBするのも同じだ」という冒頭の最初の意味となる。
Step2:なぜ「BするならAする方がましだ」という意味になるのか?
DUO3.0の例文402にI might as well kill myself as reconcile myself to my fate.(自分の運命に甘んじるくらいなら自殺した方がましだ)が出てくる。この例文を見ればわかると思うが、A=自殺する、B=自分の運命に甘んじる(reconcile myself to my fate)となっており、Aに極端な例が来ているのが分かると思う。
これは、mayの過去形であるmightを使うことでAを仮定のモノ(非現実な極端なモノ)にしているためだと考えられる。そして「自殺する(実際はしないけど)」=「自分の運命に甘んじる」という構図にして、Bの「自分の運命に甘んじる」ことがいかに無意味かというのを強調するため「運命に甘んじるぐらいなら自殺した方がましだ」という意味につながっているのだと思う。
また、別視点から見ると、longmanには"I/you might as well be hanged for a sheep as (for) a lamb"という諺が掲載されており「子羊を盗んで処刑されるよりは、羊を盗んで処刑された方がましだ」という意味が転じて「同じ悪い結果になるなら、小さい事よりも大きいことをした方がましだ」という意味になっている。might as well A as Bという構文に当てはめれば「BするならAする方がましだ」という訳になっているので、こういった諺から「Bする方がましだ」という意味につながっているのかもしれない。
Step3:might as well A as Bの感覚について
長々書いてしまったが、might as well A as Bという表現は「AもBも大差はなく、どちらとも良い選択肢ではない」といった感覚で捉えておくとよいと思う。
Step4:might as well Aについて
で、Step3で might as well A as Bという表現は「AもBも大差はなく、どちらとも良い選択肢ではない」といった感覚と説明している。ここから、Bという比較を省略した形になるので「他にいい選択肢がないときの控えめな提案」といったニュアンスになる。
ちなみに、Bが省略されているのはAの真逆となるため、繰り返しを避ける目的で省略されているのだと思う。省略された部分を赤字にして無理やり書き直せば、I might as well quit right away as not quit right away.となる。
▶️(参考)DUO3.0の例文402:might as well A as B(BするならAする方がましだ)
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