DUO Select 例文解説メモ #218
DUOセレクトの例文218本目です。
had better do…は非ネイティブには扱いにくいですね。
had better do…
「…した方が良い」「…した方が身のためだ」等の意味を持つ表現。状況によって提案もしくは脅しに近いニュアンスにも成り得るので自分を含めて非ネイティブは使うのを躊躇する表現の一つだと思う。同表現に関する考察は項目ごとに下記にまとめてあるので気になるものを読んで頂ければと思う。なお、この例文では主語がyouとなるので脅しのニュアンスが出てしまう可能性もあるかと思います(使用上の注意を参照)。
<文法上の注意事項>
口語では(主にアメリカ)、hadが省略されbetter doという形になることもよくある。また、ミスしがちなのはbetterと動詞の間にtoを入れてhad better to doとしてしまうこと。おそらくだが、have to …(…しなければならない)という表現に影響されて無意識にtoを入れてしまうのだと思う。
<had better doは仮定法の一種>
現在のことを言っているのにhadを使っていることから仮定法の一種というのは何となく想像がつくと思う。DUOの例文では出てこないので入試英語最重要構文540から抜粋すると下記例文がある。It is about time you got down to business.(君はそろそろ仕事に取りかかる時だ)。ニュアンス的には、もう仕事にとりかかっている状況なのに、そうでない現状を指してそうすべきだというのを"got down to business"と過去形にすることで表現している。過去形を使って、現実との乖離を時間的な乖離で表すという感覚が持てれば、had betterも「そうでない現状を指してそうすべきだ」となり、状況によって提案、脅しにつながるというのが理解できると思う。文法的には仮定法過去に分類されると思うので、こちらの内容も併せて読んで頂けると理解が深まると思う。
<なぜhad betterなのか>
調べた限りでは、were betterという仮定法からwereがhadに代わりhad betterとなっているらしい。この辺りもこちらの内容(動詞の過去形?の部分)を読んで頂けると理解が深まると思う。
<使用上の注意>
どういう状況で脅しのニュアンスになるのかは、話す上ではやはりある程度知っておきたいところだと思う。ポイントとしては2つあり、①脅しのニュアンス(仮定法なのでもし…しなければということ)が出るのは基本的に主語がYouの時だけとなる。②主語がYouの時でも明らかに助言と分かる状況あれば脅迫のニュアンスにならない。
①については、主語がWeやIであれば「自分(達)がそうすべきだ」となるので、脅しというよりは意思を表すニュアンスとなる。また、He, Sheを使う場合は基本的にその場にいない人を指すので脅しの意味にはならない。
②に関しては自分も明言できるほどhad betterに接してないので正直判断が難しい。明らかに体調が悪い人対して、You had better go to hospitalというのは脅しの意味にはならずに相手を気遣った表現になるらしい。この辺りの感覚は実際に英語に触れて語感を磨いていくしかないと思っている。
▶️(参考)DUO3.0の例文308:had better do(~した方が良い)
thick
「濃い」「厚い」「太い」等の意味を持つ形容詞(他品詞の意味もある)。対義語はthin(薄い、細い)となる。色んな形で使われるので、この辺りの語感を磨くには多くの文章を読むしかないと思うが、イメージ的には「どっしりとした感じ」といったところだろうか。
▶️(参考)DUO3.0の例文108:thick(厚い)
tie up…
「…を固定する」「…を拘束する」「…を忙しくさせる」「…を関連付ける」「…をタイアップさせる」「…を結婚させる」等の意味を持つ句動詞。分解して考えれば、tie(結ぶ)+up(完全に)→「完全に結ぶ」ということ。
ここから、①(物理的に動けないように)完全に結ぶ→「固定する」「拘束する」、②(忙しくて他のことができないように)完全に結ぶ→「忙しくさせる」、③(物事を)完全に結ぶ→「関連付ける」「タイアップさせる」、④(人と人を)完全に結ぶ→「結婚させる」といった具合に冒頭の意味につながっている。
この例文では①の意味で使われており、to tie it upで「それを拘束するために」ということ。なお、目的語itの位置についてはこちらの記事を参考して頂ければと思う。
▶️(参考)DUO3.0の例文212:tie up…(…を忙しくさせる)
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