DUO Select 例文解説メモ #022
DUOセレクトの例文22本目です。
アメリカ出張時に米国人がtake it easy(じゃあね)と言っていたのを思い出しました。複数の意味を持つ表現になります。あります。
take it easy
「気楽にやりなよ」「落ち着きなよ」「じゃあね」等の意味を持つ口語表現。代表的な使われ方としては、①一生懸命仕事をしている人の労をねぎらう場合、②取り乱している人に対して落ち着いてと言う場合、③別れ際の挨拶の3パターンが存在する。
分解して考えれば、take(取る)+it(それ)+easy(容易に)→「それを容易に取る」ということ。どのように冒頭の3つの意味につながるのかを文章で説明すると長くなるので、下図のようにまとめた。なお、take itを省略してeasyとだけ言う場合もある。
この例文の場合は、②の「取り乱している人に対して落ち着いてと言う」というニュアンスになると思う。
▶️(参考)DUO3.0の例文002:take it easy(気楽にいけよ)
It is (of) no use …ing
「…しても無駄」という意味の動名詞を用いた慣用表現。動名詞で形式主語itを使う例はあまりないが、この構文はそのレアなケースとなる。もちろんto不定詞を使って表現することも可能だが、表現のためのロイヤル英文法にはその割合は一割程度しかないとの説明がある。例文暗唱を通じて、It is no use…という時は動名詞を使うというのを覚えてしまうのがよいと思う。
▶️(参考)DUO3.0の例文220:It is (of) no use …ing(…しても無駄)
argue about…
「…について議論する」という意味の表現。動詞argueは「口論する」「議論する」「主張する」等の意味を持っており、語源は、語根arg(輝く、白い)を持っており、「白く輝く」→「潔白であることを示す」「全てを明らかにする」ということ。
ここから、①(明確な理由をもって)何かが正しいと示す→「主張する」、②議論の様子に注目→「口論する」「議論する」といった具合に前述した意味につながっている(①は他動詞で、②は自動詞の意味となる)。
そのため、前置詞を伴うargue about…という表現は②の意味となり「…について議論する」ということ。少し脱線してしまうが、語源arg(輝く、白い)を持つ身近な単語としては、元素記号のAG(銀を意味するラテン語argentumの略)やアルゼンチン(銀の山脈があると信じられたことから、銀を意味するargentumに小さいことを表す接尾辞-tinaを付加した単語)等がある。詳細が気になる人はWikiで調べてみると良いと思う。
disputeとargueの違い
argueと同じような意味を持つ単語に後の例文で出てくるdispute(例文内では名詞として出てきているが)があるので、これらのニュアンスの違いについてここでまとめておく。ネイティブ感覚での使い分けはこのサイトにまとめられているので参考にして欲しいが、同サイトで最初に説明されている雰囲気の差について語源的な背景をまとめると下記のような感じとなる。
①argue:上述したように「潔白であることを示す」「全てを明らかにする」というのが語源としての意味になる。ここから、議論で白熱してといった感覚が何となく伝わってくると思う。
②dispute:ここで説明したように「感情的に言い争っているのではなく、理性的に自分の意見を出し合っている」というようなニュアンスとなる。
▶️(参考)DUO3.0の例文455:argue that…(…と主張する)
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