【スティーブ・ジョブズのスピーチ徹底解説】スタンフォード大卒業式⑤
APPLEをクビになった後の話。最終的にそれが人生で起こりうる最善の出来事だったと振り返れる当たりが凄いです。
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本文(日本語+英語)
- I really didn’t know what to do for a few months.
何ヶ月か何をすべきか全く分からなかった。 - I felt that I had let the previous generation of entrepreneurs down, that I had dropped the baton as it was being passed to me.
一世代前の起業家達を失望させたのではないかと感じた。私に渡されつつあったバトンを落としてしまったと。 - I met with David Packard and Bob Noyce and tried to apologize for
screwing up so badly.
デービッド・パッカードとボブ・ノイスと会った。そして、失敗してしまったことを謝ろうとした。 - I was a very public failure and I even thought about running away from the Valley. But something slowly began to dawn on me.
私はまさに起業家として失格だった。私はシリコンバレーを逃げ出そうとさえ考えていた。しかし、ゆっくりとあることが私には分かり始めてきました。 - I still loved what I did. The turn of events at Apple had not changed that one bit. I’d been rejected but I was still in love. And so I decided to start over.
自分がしてきたことが、まだたまらなく好きだった。アップルでの想定外の出来事はほんの少しの影響も与えなかった。私は追い出されてたが、まだたまらなく好きだった。そして私はやり直すことを決意した。 - I didn’t see it then, but it turned out that getting fired from Apple was the best thing that could have ever happened to me.
そのときには分からなかったが、アップルを首になることは私に起こり得る最善のことだった。 - The heaviness of being successful was replaced by the lightness of being a beginner again, less sure about everything.
成功していることの重苦しさが、何についてもよくわかっていない初心者に戻ったという軽快さに置き換わった。 - It freed me to enter one of the most creative periods in my life.
私は人生で最も創造性豊かな時期へと解き放たれた。 - During the next five years I started a company named NeXT, another company named Pixar and fell in love with an amazing woman who would become my wife.
それから5年間、私はNeXTという会社を起こし、もう1つPixarという会社も起こし、素晴らしい女性と恋に落ち結婚した。 - Pixar went on to create the world’s first computer-animated feature film, “Toy Story," and is now the most successful animation studio in the world.
ピクサーは続けて世界で初めてのコンピューターアニメーション映画トイストーリーを制作しました。そして今では世界で最も成功したアニメーション制作会社です。 - In a remarkable turn of events, Apple bought NeXT and I returned to Apple and the technology we developed at NeXT is at the heart of Apple’s current renaissance, and Lorene and I have a wonderful family together.
驚くべき事態の展開により、アップルはNeXTを買収し、私はアップルに戻り、NeXTで開発された技術は現在進行中のアップルのルネッサンスの中核をなしている。そして、ローレンスと私は素晴らしい家庭を築いている。
- I really didn’t know what to do for a few months.
何ヶ月か何をすべきか全く分からなかった。 - I felt that I had let the previous generation of entrepreneurs down, that I had dropped the baton as it was being passed to me.
一世代前の起業家達を失望させたのではないかと感じた。私に渡されつつあったバトンを落としてしまったと。 - I met with David Packard and Bob Noyce and tried to apologize for
screwing up so badly.
デービッド・パッカードとボブ・ノイスと会った。そして、失敗してしまったことを謝ろうとした。 - I was a very public failure and I even thought about running away from the Valley. But something slowly began to dawn on me.
私はまさに起業家として失格だった。私はシリコンバレーを逃げ出そうとさえ考えていた。しかし、ゆっくりとあることが私には分かり始めてきました。 - I still loved what I did. The turn of events at Apple had not changed that one bit. I’d been rejected but I was still in love. And so I decided to start over.
自分がしてきたことが、まだたまらなく好きだった。アップルでの想定外の出来事はほんの少しの影響も与えなかった。私は追い出されてたが、まだたまらなく好きだった。そして私はやり直すことを決意した。 - I didn’t see it then, but it turned out that getting fired from Apple was the best thing that could have ever happened to me.
そのときには分からなかったが、アップルを首になることは私に起こり得る最善のことだった。 - The heaviness of being successful was replaced by the lightness of being a beginner again, less sure about everything.
成功していることの重苦しさが、何についてもよくわかっていない初心者に戻ったという軽快さに置き換わった。 - It freed me to enter one of the most creative periods in my life.
私は人生で最も創造性豊かな時期へと解き放たれた。 - During the next five years I started a company named NeXT, another company named Pixar and fell in love with an amazing woman who would become my wife.
それから5年間、私はNeXTという会社を起こし、もう1つPixarという会社も起こし、素晴らしい女性と恋に落ち結婚した。 - Pixar went on to create the world’s first computer-animated feature film, “Toy Story," and is now the most successful animation studio in the world.
ピクサーは続けて世界で初めてのコンピューターアニメーション映画トイストーリーを制作しました。そして今では世界で最も成功したアニメーション制作会社です。 - In a remarkable turn of events, Apple bought NeXT and I returned to Apple and the technology we developed at NeXT is at the heart of Apple’s current renaissance, and Lorene and I have a wonderful family together.
驚くべき事態の展開により、アップルはNeXTを買収し、私はアップルに戻り、NeXTで開発された技術は現在進行中のアップルのルネッサンスの中核をなしている。そして、ローレンスと私は素晴らしい家庭を築いている。
- I really didn’t know what to do for a few months.
何ヶ月か何をすべきか全く分からなかった。 - I felt that I had let the previous generation of entrepreneurs down, that I had dropped the baton as it was being passed to me.
一世代前の起業家達を失望させたのではないかと感じた。私に渡されつつあったバトンを落としてしまったと。 - I met with David Packard and Bob Noyce and tried to apologize for screwing up so badly.
デービッド・パッカードとボブ・ノイスと会った。そして、失敗してしまったことを謝ろうとした。 - I was a very public failure and I even thought about running away from the Valley. But something slowly began to dawn on me.
私はまさに起業家として失格だった。私はシリコンバレーを逃げ出そうとさえ考えていた。しかし、ゆっくりとあることが私には分かり始めてきました。 - I still loved what I did. The turn of events at Apple had not changed that one bit. I’d been rejected but I was still in love. And so I decided to start over.
自分がしてきたことが、まだたまらなく好きだった。アップルでの想定外の出来事はほんの少しの影響も与えなかった。私は追い出されてたが、まだたまらなく好きだった。そして私はやり直すことを決意した。 - I didn’t see it then, but it turned out that getting fired from Apple was the best thing that could have ever happened to me.
そのときには分からなかったが、アップルを首になることは私に起こり得る最善のことだった。 - The heaviness of being successful was replaced by the lightness of being a beginner again, less sure about everything.
成功していることの重苦しさが、何についてもよくわかっていない初心者に戻ったという軽快さに置き換わった。 - It freed me to enter one of the most creative periods in my life.
私は人生で最も創造性豊かな時期へと解き放たれた。 - During the next five years I started a company named NeXT, another company named Pixar and fell in love with an amazing woman who would become my wife.
それから5年間、私はNeXTという会社を起こし、もう1つPixarという会社も起こし、素晴らしい女性と恋に落ち結婚した。 - Pixar went on to create the world’s first computer-animated feature film, “Toy Story," and is now the most successful animation studio in the world.
ピクサーは続けて世界で初めてのコンピューターアニメーション映画トイストーリーを制作しました。そして今では世界で最も成功したアニメーション制作会社です。 - In a remarkable turn of events, Apple bought NeXT and I returned to Apple and the technology we developed at NeXT is at the heart of Apple’s current renaissance, and Lorene and I have a wonderful family together.
驚くべき事態の展開により、アップルはNeXTを買収し、私はアップルに戻り、NeXTで開発された技術は現在進行中のアップルのルネッサンスの中核をなしている。そして、ローレンスと私は素晴らしい家庭を築いている。
解説メモ
I really didn’t know what to do for a few months.
- a few monthsで「数カ月」という意味。few単独だと「少しの」というニュアンスになるが「そこに存在する」というニュアンスのある冠詞aを付加することで「少しはある」という意味になる。
📘few, littleについてはDUOの例文#020で説明済み
I felt that I had let the previous generation of entrepreneurs down, that I had dropped the baton as it was being passed to me.
- I felt that A, that Bで「Aと感じてBと感じた」ということ。こういう決まった構文がある訳ではないが、2つめのthatが何に掛かっているのか意識すると見えてくると思う。また、AとBが完了形になっているのは両方ともfeltよりも前というのを明示するため。文法的には大過去になると思う。
📘大過去:DUOの例文#070で説明済み。 - let A downで「Aを落ち込ませる」という意味。
📘let A down:DUOの例文#346で説明済み - entrepreneurは「起業家」という意味。語源はenterpise(企業)と同じ。スペルは難しいが、比較的耳にする機会がある単語という印象。
📘enterpise:DUOの例文#277で説明済み - as it was being passed to meで「それ(バトン)が私にパスされている時に」という意味。asのコアは「イコール」。接続詞として使われるときは文章同士をイコールで繋げることになるので文脈によって色々な意味になる。この文章の場合は「~の時」という意味。コアイメージが確立してない人はリンク先を参照するとよいと思う。
I met with David Packard and Bob Noyce and tried to apologize for screwing up so badly.
- apologize for…で「…に対して謝る」という意味。
📘apologize to A for B:DUOの例文#528で説明済み - screw upで「しくじる」という意味の句動詞。カジュアルな表現となり口語でよく使われる。screwはネジという意味で広く知られているが、語源を辿れば「豚の尻尾」。クルクル回っているところから「ネジ」という意味合いに。また「ねじる」「ねじ込む」というニュアンスから「騙す」「性行為」といった意味にも派生。本題のscrew upは「完全にねじれてしまっている」→「大失敗」といった感じなのだと思う。upの「完全」というニュアンスを知らない方はリンク先で確認するとよいと思います。
~関連シーン(Friendsより)~
screw up
自分の父親が浮気しているのを知って愛人と別れさせた。それを知った母親がなんてことをしてくれたの。そのままで良かったのにという意味でeverythings’s screwed up(全て台無し)と言っているシーン。
I was a very public failure and I even thought about running away from the Valley. But something slowly began to dawn on me.
- public failureは経済業界の用語で「(株主から見た)起業家の失敗作」といった意味合い。publicには「公の」という意味もあるが、この場合は「株を公募した」ということ。例としてはgo public(株を公開する)、without going public(株式非公開で)等がある。
- the Valleyは「シリコンバレー」のこと。
📘valley:DUOの例文#267で説明済。 - dawn on…で「…に分かるようになる」という意味。dawnは名詞で「夜明け」、動詞で「夜が明ける」という意味を持つ単語。そこから「真相が見え始める」といったニュアンス持つようになっている。そんな意味を持つdawnがon (接触)するわけなので、全体として「…に分かるようになる」という意味になる。
📘dawn on…:DUOの例文#539で説明済。
I still loved what I did. The turn of events at Apple had not changed that one bit. I’d been rejected but I was still in love. And so I decided to start over.
- turn of eventsは「物事の展開」という意味。turnは「回転」という意味なので、events(物事)のturn(回転)となり冒頭の意味となる。dramatic turn of events(劇的な事件の展開)といった表現もある。
- start overは「最初からやり直す」という意味の句動詞。
📘start over:DUOの例文#211で説明済
I didn’t see it then, but it turned out that getting fired from Apple was the best thing that could have ever happened to me.
- turn outで「(事態などが最終的に)~に終わる」という意味の句動詞。分解すれば、turn(回転)+out(外に)→「クルっと回して外に出す」ということ。この文章の場合は「当時は分からなかったがクルっと回転して最善のことになった」というニュアンスになると思う。
📘turn out:DUOの例文#002で説明済 - the best thing that had ever happened to meであれば「実際に私に起こったことの中で最高のもの」という意味。この文章は、hadの部分がcould have(起こりえた)となっているので「色々起こる可能性があったが、他のどの可能性にもまして最高だった」という意味。
The heaviness of being successful was replaced by the lightness of being a beginner again, less sure about everything.
- The heaviness of A was replaced by the lightness of Bで「Aの重苦しさがBの気軽さに置き換わった」ということ。こういった構文がある訳ではないが対比に注目すると全体像が見える。
- less sure about everything は「何についてもよく分からない」という意味合い。訳を見ると「何についてもよく分かってない初心者」という風にbegineer(初心者)にかかっているが分かると思う。これは、a beginner again, (who was) less sure about everythingという形で関係代名詞が省略されていると考えると理解しやすい。
Pixar went on to create the world’s first computer-animated feature film, “Toy Story," and is now the most successful animation studio in the world.
In a remarkable turn of events, Apple bought NeXT and I returned to Apple and the technology we developed at NeXT is at the heart of Apple’s current renaissance, and Lorene and I have a wonderful family together.
- remarkable turn of eventsで「驚くべき事態の展開」といった意味。remarkableは、re(強意)+mark(印)+able(~できる)→「印を付けることができる程の」→「注目に値する」「驚くべき」ということ。turn of eventsはリンク先で既に説明済み。
📘remark:DUOの例文#525で説明済 - at the heart of Apple’s current renaissanceで「アップルのルネサンスの中核」という意味。ルネサンスというと、イタリアを中心におこった文芸復興運動(自分は中学の社会で習った)を思い浮かべる人も多いと思う。ただ、固有名詞ではなく普通名詞の意味として「再生」「復活」という意味も持つ単語となる。
- Loreneはジョブズの妻の名前
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