【英文法】原形不定詞とは? ~to不定詞の違い~
文法書を読んでいると「原形不定詞」という表現がたまに出てきます。「to不定詞と何が違うの?」という人向けの記事です。
英語では「不定詞」=「to不定詞」という使い方をしますが、そもそもこれがちょっとおかしいです。
はじめに
英語でも「不定詞」という文法用語が使われます。皆さんご存知の「to不定詞」です。
中学では「不定詞」=「to不定詞」=「to + 動詞の原形」という風に習ったはずです。そのため、「原形不定詞」と言われると「???」と完全に思考停止してしまうはずです。
ちなみに、管理人はブラジル赴任していたのでポルトガル語文法を一通り学んだ経験があります。当然ポルトガル語にも不定詞という文法用語は出てくるのですが「原形不定詞」の意味となります(人称不定詞もありますがここでは割愛)。
そのため、英語だけちょっと特殊なのではと思ってます。
不定詞とは
まずは「不定詞の定義」から確認していきます。
不定詞はそのまま日本語で考えれば「定まらない形」「不定な形」ということです。なお、英語では不定詞をinfinitive formといいますが、infiniteは「無限の」という意味を持つ形容詞なので、言い換えれば「何の制限も受けない」といったニュアンスになります。
要は「動詞の原形」のことです。
ご存知のように動詞は主語によって活用が変化しますが、原形はそういった影響や制限を受けない形となります。個人的には、英語からアプローチした「何の制限も受けない」というニュアンスの方がしっくりくると思います。
纏めると下記のようになります。「不定詞」=「動詞の原形」であるということを覚えて頂ければよいと思います。
- 不定詞は英語で言えば、infinitive form(何の制限も受けない形)ということ。
- ここでいう制限とは「主語によって動詞活用が変化する」という制限の意。
- そういった制限を受けない形は「動詞の原形」となる。
原形不定詞とは
上記で「不定詞」=「動詞の原形」であることを説明しました。
そのため、原形不定詞は「本来の不定詞」ということができます。そして、この原形不定詞は「動詞を名詞化」するのに使われていました。
実際、ポルトガル語の原形不定詞も動詞を名詞化するのに使われています。例を挙げれば次のような文章です。
Você sabe falar português ? (あなたはポルトガル語を話せますか?)
ここで、sabeは知る、falarは話すという意味の動詞で、falar português(ポルトガル語を話すこと)という原形不定詞の形で使われています。
to不定詞とは
冒頭で説明したように、学校では「不定詞」=「to不定詞」=「to + 動詞の原形」という形で教えられます。これはなぜでしょうか?
管理人が調べた限りでは、どうも「副詞的用法に由来している」ことが分かりました。
ご存知のように副詞的用法は、He went to Japan to study Japanese(彼は日本語を勉強するために日本へ行った)という例文から分かるように「~のために」と訳されます。
大西先生の書籍を読まれている方はよくご存じかと思いますが、toは「方向」「到達」の機能を持った前置詞です。当時の人たちは「目的に向かっていく」という副詞的用法を、to(方向・到達)+「動詞を名詞化する役割を持つ不定詞」という形で表しました。先ほどの例文に沿って考えれば、to(方向・到達)+study Japanese (日本語を勉強すること)→「日本語を勉強するために」ということです。
そして、このto不定詞という形が原形不定詞の守備範囲であった名詞的用法をも侵食していったという背景があるようです。
結果的に、英語で「不定詞」といえば「to不定詞」を指すという構図が出来上がったということになります。
英語で使われている原形不定詞
上述したように、基本的には英語ではto不定詞の形(to+動詞の原形)で使われるのですが、一部の表現は原形不定詞で使われるものも残っています。主なものを下記に列挙します。
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