virtualの意味と語源 ~英単語攻略~
単語の「語源」「意味」「ニュアンス」について纏めています。語源を知ることで「ニュアンスの理解」「単語のイメージ化」「記憶の強化」に役立ちます。単語一覧はこちら。
意味、語源、ニュアンス
意味と語源については、お勧めの辞書、お勧めの語源辞典で紹介しているものを参考にしています。
意味
形容詞の意味を持ちます。主要なものは下記となります。
- 「事実上の」「実質的な」「仮想の」
語源とニュアンス
カタカナでバーチャル世界(仮想世界の意味)、バーチャルメモリー(仮想メモリ)等の使われ方をするので「仮想の」という意味については問題なく理解できると思う。ただ、「事実上の」という意味を理解するのが難しい(仮想と真逆に感じると思う)。
この辺りについて色々調べた結果、そもそもvirtualという単語には「事実上の」「実質的な」といった意味しかなく「仮想の」は誤訳であるということが分かった。実際、longmanにも「仮想の」という意味は載っていない。
本題に戻り、virtualは「持っている力によって厳密には異なっていてもほぼ同等のことができる」といった意味合いを持つ単語となる。例えば、ひと昔前はパソコンOSと言えばWindowsが主流だったので(今ではMacもシェアを伸ばしているが)、「MicrosoftがパソコンOSを事実上独占していた」ということができると思う。
実際に独占していたわけではないが、ソフトの互換性やサポートの関係でOSを切り替えれないので、結果Windowsを皆使い続け、事実上Windowsが市場を独占していたということ。雑学的な内容も含まれるが、今回調べた内容について下記にまとめておく(興味がある部分だけ読んで頂ければと思う)。
<仮想という誤訳について>
コンピュータの世界でvirtual memoryが発表されてこれを仮想メモリと訳したのが発端らしい。virtual memoryとは、本来のメモリではないが事実上メモリとして使える技術。具体的には、実際は1Gしかメモリ搭載していないがvirtual memoryにより4Gのメモリが搭載されているように見え、実際に4Gのメモリとして使うことが出来るということ。上述したvirtualの説明とも一致する内容になる。ただ、これを訳すときに「本来のメモリではない(=嘘)」ということにフォーカスを置いて「仮想の」と訳してしまったということ。
<VR(Virtual Reality)とは>
最近VRという単語を聞く機会がよくあるが、これはVirtual Realityの略で「事実上の現実感」というのが本来の意味。日本語だと「仮想現実感」といった訳になるのでちょっとニュアンスがずれてしまう印象がある。これもvirtualが「仮想の」と訳されて、バーチャル=仮想という認識が日本語で広まったことによる。
<virtualの語源について>
virtualの語源はvirtue(善)に由来しており、virは「男」という意味で、男に備えられるべき「勇敢さ」「強さ」等の特徴・性質を表していた。その後、意味が拡張され「美徳」「価値」等のより一般的に備えられるべきものも表すようになった。更に、道徳的資質(宗教の教えを守るための信念や希望)という意味にも拡張される。そして、生まれ持った力や効果があるといったニュアンスとなり、最終的に「持っている力によって厳密には異なっていてもほぼ同等のことができる」といった意味となる。
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