【英文法解説】仮定法過去完了について ~仮定法の攻略~
仮定法過去完了は「過去の事実に反する内容ですよ」ということです。「動詞の過去完了形」を使って表現します。
仮定法の全体像は下記で説明しています。本記事から読まれている方は、まず下記記事を読まれることをお勧めします。
仮定法過去完了
仮定法過去完了は「過去の事実に反する仮定・内容」を表す表現です。具体例を挙げれば次のような文章です。
- ① If I had taken care of myself in my youth, I would be in a good heath now.(もし若い頃体に気をつけていたら、私は今頃健康だろうに)
- ② She acted as if nothing had happened.(彼女は何もなかったかのように振舞った)
赤字部分を見れば一目瞭然ですが「過去完了形」を使って表現しているというのが仮定法過去完了の特徴です。
仮定法過去完了の直感的な理解としては「過去の事実に反する仮定や内容」であることを示すため「過去形から距離を取った過去完了形を使う」と考えるとよいと思います。
時制の考え方
仮定法過去の時制の考え方が理解できていれば、仮定法過去完了の考え方はそれほど難しくはありません。
復習となりますが、仮定法過去は「現在の事実に反する」「現実に起きうる可能性が低い」ことを示すために、現在から距離を取った過去形を使っているのでした。
一方の仮定法過去完了は「過去の事実に反する仮定や内容」となるため、距離を取る基準が現在から過去にシフトするだけです。
結果、時制としては下図の青線を使うことになります。
*過去完了の補足について
過去完了は、had(持っていた)+過去分詞(~したのを)→「〜したのを持っていた」ということ。そのため、過去のその時点で既に持っていたことを表すことが可能です。過去から距離を取るということは、過去のその時点で既にそうであったということが言えればよいので過去完了を使うことになります。この辺りの感覚については大西先生の本でも説明されているので、そちらを一読されるのをお勧めします。
条件文の帰結節について
仮定法過去と同じく仮定法過去完了の帰結節についても説明していきます。
仮定法過去完了の条件節は「過去の事実に反する仮定・内容」を表すため、その帰結節は下記1、2の二つのパターンが考えられます。
- ~だったら、…だっただろう(過去こうしていた/こうなっていた)
- ~だったら、…であるだろう(今頃こうなっている)
前者が一般的によく使われる形となりDUO3.0では#091や#110で使われています。なお、このパターンでは、仮定法過去の帰結節(would/could+動詞の原形)にhaveを加えたwould/could have+過去完了(~したのを)という形となります。間にhaveを入れることで「~したのを持っているだろう」→「だっただろう」という形で過去を表現していると解釈しておけばよいと思います。
また、後者の場合は冒頭で述べた例文①の形となり、帰結節としては仮定法過去と全く同じ形となります。
仮定法過去完了というネーミングについて
何度も繰り返しますが、仮定法過去完了は「過去の事実に反する内容ですよ」ということを表す表現です。
でも、仮定という日本語は「もし~なら/だったら」を意味するのになぜ仮定法の括りなの?という疑問も持つ方も多いと思います。実際、管理人もそのように感じました。
これは「仮定法過去完了」という表現は、本来「接続法の動詞の過去完了形で表現される」ためだと思います。
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