4.6 仮定法過去完了

2020年7月19日

仮定法過去完了

仮定法過去完了は「過去の事実に反する仮定・内容」を表す表現です。具体例を挙げれば次のような文章です。

  1. ① If I had taken care of myself in my youth, I would be in a good heath now.
  2.  (もし若い頃体に気をつけていたら、私は今頃健康だろうに)
  3. ② She acted as if nothing had happened.
  4.  (彼女は何もなかったかのように振舞った)

赤字部分を見れば一目瞭然ですが、過去完了形を使って表現しているというのが仮定法過去完了の特徴です。

仮定法過去完了の直感的な理解としては、「過去の事実に反する仮定や内容」であることを示すため、過去形から距離を取った過去完了形を使うと考えるとよいと思います。

時制の考え方

仮定法過去の時制の考え方が理解出来ていれば、仮定法過去完了の考え方はそれほど難しくはありません。

復習となりますが、仮定法過去は「現在の事実に反する」「現実に起きうる可能性が低い」ことを示すために、現在から距離を取った過去形を使っているのでした。

一方の仮定法過去完了は「過去の事実に反する仮定や内容」となるため、距離を取る基準が現在から過去にシフトするだけです。結果、時制としては下図の青線を使うことになります。

*過去完了の補足について
過去完了は、had(持っていた)+過去分詞(~したのを)→「〜したのを持っていた」ということ。そのため、過去のその時点で既に持っていたことを表すことが可能です。過去から距離を取るということは、過去のその時点で既にそうであったということが言えればよいので過去完了を使うことになります。この辺りの感覚については大西先生の本でも説明されているので、そちらを一読されるのをお勧めします。

条件文の帰結節について

仮定法過去と同じく仮定法過去完了の帰結節についても説明していきます。仮定法過去完了の条件節は「過去の事実に反する仮定・内容」を表すため、その帰結節は

  • ~だったら、…だっただろう(過去こうしていた/こうなっていた)
  • ~だったら、…であるだろう(今頃こうなっている)

という二つのパターンが考えられます。前者が一般的によく使われる形となりDUO3.0では#091#110で使われています。なお、このパターンでは、仮定法過去の帰結節(would/could+動詞の原形)にhaveを加えたwould/could have+過去完了(~したのを)という形となります。間にhaveを入れることで「~したのを持っているだろう」→「だっただろう」という形で過去を表現していると解釈しておけばよいと思います。

また、後者の場合は冒頭で述べた例文①の形となり、帰結節としては仮定法過去と全く同じ形となります。

  1. ① If I had taken care of myself in my youth, I would be in a good heath now.
  2.  (もし若い頃体に気をつけていたら、私は今頃健康だろうに)

ポルトガル語における仮定法

仮定法過去のところでも説明したように、ポルトガル語の仮定法には、①未来を表す仮定、②現在の事実に反する仮定、③過去の事実に反する仮定、という3つが存在します。この3つの内、上述した英語の仮定法過去完了に相当するのが③過去の事実に反する仮定となるので、ここでは③に特化した話をしていきたいと思います。

ポルトガル語における過去の事実に反する仮定

ポルトガル語では、接続法過去完了形の一つの用法として「過去の事実に反する仮定」があります。上で掲載した図を用いて説明すれば、赤線部分の活用を使うということです(ポルトガル語には完全過去と不完全過去がありますが、図では一括りに過去としています)。接続法→仮定法という変換をしてやれば英語の仮定法過去完了に他なりません。

いくつか例文を紹介します。赤字部分が接続法過去完了の活用形となります。

  1. ① Se eu tivesse sido rico, eu teria viajado todos os anos para o Brasil.(もし私が金持ちだったなら、毎年ブラジルに旅行してたのですが)
  2. ② Se eu tivesse tido tempo, eu teria passado na sua casa ontem.(もし私に時間があったのなら、昨日あなたの家に寄ってたのですが。)
  3. ③ A minha cabeça dói como se eu tivesse levado uma pancada.(私の頭はまるで叩かれたように痛いです。)
  4. ④ Eu me sinto pesado como se tivesse comido um boi.(私は牛を一頭食べたかのように重く感じます。)

tivesseが英語でいうところのhave(活用は接続法)となります。

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