【語彙の増やし方】句動詞の攻略 ~コアイメージの活用~
句動詞は「基本動詞」×「前置詞・副詞」の組み合わせになります。
句動詞は多岐の意味を持ちますが、それぞれの「コア」をしっかりと把握しておき、そこから「イメージで派生先の意味につなげる」というアプローチが効率的です。
「基本動詞」「前置詞・副詞」はどちらも下記で説明している「下層」に該当します。そのため「コアイメージの活用」が非常に有用です。
▶️【語彙の増やし方】語彙の三層構造を理解する ~最適なアプローチの考察~
句動詞とは?
英語ではPhrasal Verb(フレーザルバーブ)と呼ばれ「フレーズのような形で使われる動詞」のことを指します。具体的には、次のようなものです。
そして、これらは品詞としては次のような組み合わせから成り立ってます。
句動詞の起源
句動詞の起源はノルマン人の侵略に遡ると言われています。
英語史の基礎知識でも簡単に触れましたが、ノルマン人の支配により貴族はフランス語、庶民は英語を話す時代がありました。
▶️【語彙の増やし方】英語史の基礎知識 ~知っておくと意外と便利~
その際、一部のフランス語は庶民の間でも使われるようになりましたが、句動詞はフランス語の動詞を理解しやすいように、次のような形で置き換えたのが由来と言われています。
具体例を挙げれば、下記のようなものがあります。
感覚的な話になりますが、借入語は堅いイメージを抱くのに対して、句動詞はどこか身近な雰囲気が感じられると思います。
下層 | 中層 | 上層 |
---|---|---|
fire | flame | conflagration |
time | age | epoch |
help | aid | assistance |
句動詞の特徴
句動詞の主な特徴としては、次のようなものがあります。
- 口語表現で使われることが多い
- カジュアルな印象を持つものが多い
- 多義語となる(複数の意味を持つ)
これらの特徴の背景としては、上述した句動詞の起源で触れたように下記点が影響しています(色で特徴とその背景を示しています)。
- もともと庶民の間で使われていた英語本来語をベースとしている
- 限られた単語を組み合わせで表現している
句動詞の厄介な点
英語学習者にとって一番厄介なのは多義語であるという点だと思います。
辞書を見れば一目瞭然ですが色んな意味が併記されています。そして、それらを日本語で1個ずつ覚えるのは効率的ではありませんし、そもそもこの方法だと使いこなすことができません。
効率的な学習方法
下記に語彙の三層構造を理解するで説明した三層構造を再掲します。
句動詞は「下層の英語本来語の組み合わせによりできた表現」となります。
そのため、アプローチとしては「各単語の持つコアイメージをしっかりと把握しつつ、組み合わせ時のイメージの広がりを意識する」ことが効率的だと思っています。
コアイメージの掴み方と広げ方
コアイメージの掴み方は、
例:let downという句動詞の場合
例えば、let downであれば、let(許す)+down(下に)→「下に行くのを許す」というのが基本イメージとなります。そして、その対象が「人」「モノ」「人やモノの価値」なることで色々な意味合いを持つようになります。
XMINDでマインドマップ風にイメージを派生すれば下記のような図となります。
個々の単語のコアイメージについて
個々の単語のコアイメージに関しては、すずきひろし先生著書や大西先生の書籍で説明されているのでそちらを活用するとよいと思います。
なお、当サイトでは、DUO3.0に出てくる句動詞に関しては学習メモで紹介しており、前置詞のコアイメージに関してもこちらにまとめていますので、それらの情報を参考にしてもらえればと思います。
また、句動詞に特化した本も出ているのでこういった書籍も活用するとよいと思います。
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