【語彙の増やし方】お勧めの語源辞典 ~語源活用のメリットと調べ方について~
英単語を覚えるのに「語源を活用するのは非常に有用」です。
具体的なメリットと語源の調べ方を紹介します。
語源活用は、下記で説明している「中層」「上層」に属する単語に対して効果なアプローチです。
▶️【語彙の増やし方】語彙の三層構造を理解する ~最適なアプローチの考察~
はじめに
語源を活用した単語の勉強法は非常に効率的です。
個人的には、海外の人が漢字を学ぶときに部首などの構成要素を分解し意味を考えながら覚えるのと似ていると感じています。
この辺りは下記記事にまとめてあるので気になる方は一読頂ければと思います。また、DUO3.0の学習メモにも語源を活用した覚え方をUPしているので参考にして頂ければと思います。
▶️【語彙の増やし方】語彙の三層構造を理解する ~最適なアプローチの考察~
語源活用のメリット
語源活用するメリットは「単語が覚え易くなる」という点ですが、それには主に下記の3つの要素があると管理人は感じています。
英英辞典や英和辞典で調べてもいまいち意味がピンとこない単語を語源辞典でひいてみるとしっくり理解できるものも多々あると思います。
ストーリーでの紐付け
基本的に英英辞典では使用頻度の高い意味から掲載されていることが多いです(ロングマンを好んで使う理由を参照)。
ただ、もともとの意味を辿れば紆余曲折を経て現代の意味で使われているものもあり、そういった単語は語源辞典を活用してストーリーで紐付けしてしまうのがよい場合もあります。
下記はDUO3.0で出てくるclerkという単語の説明となります。
「店員」「販売員」「ホテルフロント係」「事務員」等の意味を持つ名詞(動詞の意味もある)。
語源はもともと「聖職者」というところから来ており、当時「聖職者」は「学者」でもあったことから「学者」という意味も持つようになる。
そして、時代が進むにつれ学者は読み書きできる能力があることから「書記」という意味でも使われ始め、書記は代表者の横で補佐をするというニュアンスから「助手」や「事務員」という意味にも派生した。
そしてこの「助手」という意味が日常業務にも使われるようになり、①買い物客を助ける人→「店員」「販売員」、②ホテルで客を助ける人(受け付ける人)→「ホテルフロント」といった具合に冒頭の意味につながっている。
なお、上で説明したようにclerkは「読み書きできる」ということと関連性があるため、「事務員」という意味では「収支等の記録をする人」というニュアンスが強い気がする。
clerkの意味 from DUO3.0の例文#379
ニュアンスの理解
英和辞典で調べると同じ意味になる単語が多々存在します。
こういった単語の微妙なニュアンス差を知るのに語源からのアプローチが非常に有用です。下記はDUO3.0で出てくる「結果」という意味の違いを説明した文章からの抜粋となります。
「結果」という意味を持つ単語にresultとoutcomeがあるのでこれらのニュアンスの違いについて簡単に説明しておく。consequenceは上記説明したように「ある物事の成り行きの結果出てくるもの」ということ。主にネガティブ(悪い)な意味で使われることが多い。
次にresultだが、語源は、re(後ろへ)+sult(跳ぶ)→「何かをやってその結果戻って来る」ということ。そのため「原因と結果という関係」に焦点を当てた単語となる。
最後のoutcomeだが、語源は、out(外に)+come(来る)→「外に出て来るもの」ということ。そのため、「誰も予想できない」「起きてみて初めて分かる」といったフレーバーを持ち、結果に焦点を当てた単語となる。語源から分かるようにresultとoutcomeはポジティブ、ネガティブ両方の意味で使われる単語となる。
ニュアンスの差 from DUO3.0の例文#030
イメージによる理解(日本語を介さない)
英語運用能力を向上させる上で、逐語的に日本語⇔英語に変換するという悪い癖はなるべく初期の段階で取り除くべきです。
その手段として、語源(接頭辞・語根・接尾辞)を活用して英単語をイメージで理解することができるようになります。下記はDUO3.0で手でくる接尾辞-shipを持つ単語の説明を抜粋したものになります。
【接尾辞-shipについて】
shipというと「船」という意味が思い浮かぶと思うが、shape(成形する)と同じ語源となっており、成形されて「形作られたもの」というのがもともとの意味。そのため、接尾辞shipは「形作るもの」という意味になる。具体例を挙げれば、friendship(友達を形作るもの)→「友情関係」、relationship(関係を形作るもの)→「結びつき」「関連性」といった感じとなる。
接尾辞-shipについて from 接尾辞 Suffix
お勧めの語源辞典
ここでは、管理人が実際によく使っている語源辞典を紹介します。
サイト名 | 特長 |
---|---|
Online Etymology Dictionary | 詳しく書かれており、内容が充実している |
Google検索 | 単語の派生が直感的に理解できる |
ハイパー英語語源辞書 | 日本語で説明されているので導入としてお勧め |
すずきひろし先生の著書 | イラストで説明されているので導入としてお勧め |
Online Etymology Dictionary
無料で公開されている英語の語源辞典となります。
語源辞書と言えばOnline Etymology Dictionaryというほどメジャーな辞書となります。全て英語で書かれているので慣れるのが少し大変ですが、次のような感じで語源を調べることができます。
- 調べたい単語を入力して検索ボタンをクリック
- 下に説明が表示されるが、最初の段落は語源がどこから来ているかの説明
- 以降の段落はどのように意味が発展・派生していったかの補足説明
下図は、dictator(独裁者)という単語の語源を調べた例です。
Google検索
Google検索で「調べたい単語」+「etymology(語源)」で検索すると語源を調べることができます。
詳しい説明は載っていませんが、どのようなルートで英語に来ているのかが直感的に分かる表示となっています。
下記はsuperiorという単語の語源を調べた結果となります。
ハイパー英語語源辞書
浅井信吉研究室により運営されている印欧語根(Proto-Indo-European)を用いた英単語学習辞書となります。
全て日本語表記なので、日本人にとっては非常に取っ付きやすいと思います。管理人も語源を調べるときは、まずこの辞書から調べることが多いです。
使い方は直感的に分かると思いますが、次のような流れで語源内容と同語源を持つ単語を調べることができます。
- 調べたい単語を入力(例として、dictionaryを入力)
- Search itをクリック
- 候補に単語が出てくるのでクリックすると語源の説明が出る
- 語根をクリックするとその語根を持つ単語がリスト表示される
すずきひろし先生の書籍
当サイトのお勧め教材でも紹介しているすずきひろし先生の書籍がお勧めです。ビジュアルも活用されているので、まずはこちらの書籍から入ってみるのもいいと思います。
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